レトルトで麻婆カレー。もうそれだけで尊い存在であるとおもうんですよね。
麻婆カレー、いいよねえ。おいしいよね。そして難しいジャンルでもあるのです。
カレーですよ。
ヤマモリのレトルト製品はいつでも本当にいい仕事をしてるよねえと感じます。
ヤマモリ(株)は三重にある食品メーカー。もともとは醤油醸造の蔵元でもちろん現在でも醤油の製造は続いています。伊勢神宮への正式奉納などもしていらっしゃるのですよ。
それで、現在では柱となっているレトルト食品製造。「釜めしの素」シリーズが有名です。釜めしの素のレトルトパウチ製品はヤマモリが元祖。我が家も日常的に購入、炊き込んでは食卓に出したりおにぎりにしたりと便利に使わせてもらっています。かなり美味しくてお気に入りなんです。すごい種類が多くて、最近のお気に入りは「鹿児島黒豚めし」と「九州かしわめし」天音に調整された味でちょっとクセになっちゃう味なんです。
このレトルト、
「morish 麻婆飯咖喱」
は、じつはレトルトカレー とレトルト食品の間にあると感じているんですよ。
純粋にレトルトカレー とは呼び難い。そんな気がします。そしてそこが魅力なんです。
そもそも麻婆カレーというジャンル、なかなか味の落としどころが難しいのではないかと思っています。
麻婆をカレーの味に飲み込まれないようにバランスさせるのは、これなかなか難しい。カレーという食べ物、他の食べ物の味わいや特徴を飲み込んでしまう傾向が強いわけです。
特にご当地カレーなどは当然地元食材を使いたいわけですが、〇〇カレーというふうにやってつく他のに、〇〇はどこへ?なんかカレーじゃない、ふつうの。みたいな結果になってしまっている誠に惜しいものも結構存在するんです。
地方自治体などが町おこし、村おこしで農産物をカレーにする企画などもよく聞くんですが、ちゃんと調理人と決定権を持つ企画者がしっかり考えないとぼんやりしたただのカレーライスが出来上がってしまうことも多いのです。(仕事でそういうものもたくさん目にしてきた)残念なんですよ。がんばれみんな!
それで「morish 麻婆飯咖喱」、甘味の要素を抑えた、塩味で決める感じの着地点でした。
麻婆感を上手にカレーに飲み込まれないように腐心しているのがわかります。とにかくバランスさせるのが難しいんだと思う。
食べ進むと旨味の強さが増してくる感じで、おお、大変おいしいよ。ただ、カレーじゃあないかなあ。
それとすごいのが、よくもまあレトルトパウチの中で豆腐が崩れないものだなあ、と感心させられます。きれいな小さめのダイスカットでちゃんとエッヂがたったまま袋から出てきてね、感心。
マイルドな口当たりからほんのり痺れがやってくるかんじですね。
あえて、ですがカレーと言われれば違うと言えます。そして、これでいいんです。
カレーに寄せ過ぎてしまってはなんだかわからなくなるからね。
そしてそういうチューニングに「麻婆飯咖喱」という名前をかぶせたのはうまいと思います。麻婆かけごはんであり、カレーではなく咖喱であるというね。
この名前はうまくこの「morish 麻婆飯咖喱」の位置を言い当てていると思います。
現在国内生産数第2位(であったはず)のレトルトパウチ食品製造メーカならではのバランス感覚が出ているなあ。
レトルトカレーメーカーではなく、カレーではない食品製造メーカーであることがこの味の着地点を作ったのではあるまいか、なんてことを想像しながら食べるんです。