カレーですよ4426(甲府大里町 カレー食堂 ビリヤタ)甲府にこの店あり。4月オープンの価値あるお店。

甲府界隈で、どこか知らないお店はないだろうかと「一刀斎」のチキンカレー大盛りを平らげながらテーブルでGoogleマップを眺めるわたしは果たして仕事熱心なのが少し病んでしまっているのだろうかどうなんだろうか。

 

 

カレーですよ。

 

 

そんな中で、Google マップの中になんとなくピンとくる店名を発見。

その名前を、

 

「カレー食堂 ビリヤタ」

 

といいました。

大変に気になったんだよね。「カレー食堂」とサブタイトルをつけるところで日本の人関与の可能性。そしてビリヤタという謎のキーワード。

なんとなく日本の人がやっているインドお作法の作り方で日本の人の良いところが生かされたカレー。そんなイメージが感じられるんです。それで、そういうカレーが大好きなわけです。

 

これはね、もう行かずにおれなかった。

すでに一刀斎のチキンカレー 大盛りが腹の中なのにね。あーこういうのがいけないんだよ。お腹にお肉がつくんだよ。でも行くよ。

おみせは甲府の国母とか大里町界隈。

界隈といえば「じゃがいも」、「渡邉」、「マサラアート」あたりは何回かきていたり、ちょいと足を伸ばせば「月夜のライオン」や「スーリア」なんかにも手が届く場所。良いカレー店がそろっています。

そうやってカレーが食べられる店はそれなりにチェック済みのはずなのに、ここはしらなかったなあ。

 

うっかりしたな、なんて思っていたら、後でご店主が4月に開いたばかりだと教えてくれました。なるほど。道理で知らなかったわけだよ。

さて、おみせ。

 

ロードサイドに飲食やその他のお店が何軒か固まっていて広い駐車場がその前にある、島のような感じの地方に行くとよくある、あの感じです。

お店入り口の壁面がガラス張りで明るい日が差して心地よい感じ。小上がりとテーブルがありました。

テーブルの脇の本棚に木になる本が並んでいたり、シンプルで心地いい店内で好きな感じです。

 

そしてカレー。

食べてみれば言葉もないんです。この店にやってきてよかったなあ。

このお店のカレー、おいしく楽しいの一言なのですよ。勘が当たったなあ。

選んだのは、

 

「カレー3種盛り」

 

中サイズのターリにこれでもか、とカレーと野菜を詰め込んだ見目麗しい姿。

選んだカレーもすべて美味しい、楽しいいいいものでした。

 

豚なんこつビンダル

絶妙の酸っぱさのチューニング。なるほどこれはすごいぞ。これはうまいぞ。

酸味のバランスのセンスが抜群にいい調味です。ビンダルーの中では酸味抑えめだと感じますがちゃんとビンダルーとしての成り立ちが分かる線で着地させています。

うーん、グッドランディング。軟骨のコリコリした食感と穏やかな酸味と旨味が大変においしい。これは好みです。とてもいい。

 

山椒ポークキーマ

名前の字面で思ったよりもまろやか仕立てです。落ち着きあるポークキーマですが、ピリッとプチしびれ感があって、うんうん、よしよし、みたいな気持ちにさせられます。

上手なコントロールでいき過ぎない山椒使いが心地よいねえ。好みの感じの真面目なトマトキーマで、まとまった完成度の高さ感じるカレーです。

 

ルーロー

もうね、このルーローのうまいことうまいこと!

あまり八角をキツくさせず和風、どちらかというと角煮風に着地させる調整がセンスを感じさせる一品です。そぼろにしないお肉どーんの高雄地方のスタイルだね、これは。

おつゆがたくさん入るので別で白ごはんをもらってじゃぶじゃぶかけたくなる誘惑を我慢するのが大変です。もちろん他のカレーとの相性もいいしね。

 

ラッサム

チリとトマトの風味がまずファーストアタックでくる、個性あふれるラッサム。

ラッサムはたくさんのスタイルがあって個性があってでつくづく面白いものです。

チリコンカルネとラタトゥイユとラッサムの関係を考えさせるような楽しさがありました。解釈で変わるんだと思うけど、これ好きだなあ。

 

モロッコインゲンのポリヤル

これもすごくいい。素材活かす系のシンプル調理でパリパリの食感を生かしたうれしいやつ。他の料理との相性も良しで混ぜてもパーフェクト。

こういうのだけずっと食べ続けたくなるよ。

 

黒胡麻のチャトニ

これまたセンスがすごくいい!黒胡麻のスモーキーな感じを生かし、酸味ほんのりでペーストに仕立ててあります。

想像できる?まるで胡麻で作った梅干しのよう

。我ながらわかりにくいけど、もう言葉の通りです。すごくおもしろい。すごくいい。

マイルドな味のビーツもいいし、ズッキーニをローストしたものも、手の込んだものではない料理の嬉しさ、みたいなものを内包するいいもの。

ナスのアチャールは大きめのカットで食べ応えを感じます。サービスでいただいたうずらの卵のアチャールも、ちょっとお酒とか欲しくなる良いもの。

 

そしてそのおかず類の中におかひじきを混ぜ込むというセンス光るチョイスと自由さ。

目から鱗が落ちる思いをさせてもらったな。

これらを好みで混ぜたり、足したり引いたりしながら楽しむわけですよ。全体で言うと純粋なインド料理からエッヂを上手に取ってあって食べやすさ、馴染みやすさがチャームポイントとして見えてきます。

全体通してやっぱりココ「ビリヤタ」らしさのようなものがあると感じます。

変な風に原地風にこだわらず、地物の野菜なんかを多用して無理がない。こういうものこそ価値がある。

 

メニューを見るとカツカレーがあったり欧風のカレーも揃えているらしく興味深いんです。

例の一軒前の店で大盛りを食べてしまったのがテキメンに効いていて、残してしまったんですが、そこはほら、手持ちのインド弁当箱(この日は2段。クルマに2段と3段をそれぞれ常備してあるのだ)に詰めていたら店主が面白がってくれて話が弾みました。

4月に開けたばかりまだ宣伝もせずぼちぼちとやっているんですよ、とのことなんですがこの店を知らない人が多いのはもったいないよ。

 

わたしが嫌いな口コミサイトで身勝手な目線でこの店のことを書いてある文章を読んだけど、まったく見当違いでおもしろかったよ(笑)。

外食で、自分から楽しみを迎えに行こうという気概がないんだよね。自分の狭い好みと経験だけしかないものでそれを当たり前にしちゃって自分から楽しんでいこうという気持ちが見えない。

愛のない、そういうくだらないものに左右されずに自店の良さをのびのびと伸ばして行ってくれると嬉しいな、と思っています。

わたしはこの店がとても好き。山梨に良い店が増えてきています。

山梨、好きだなあ。

 

あ、7月はまた桃を買いに戻ってこなくっちゃ。