カレーですよ4446(逗子 スパイスツリー)改めて、やっぱり好きな居心地の良いお店。

本当に久しぶりになってしまった逗子のお店。

例によって並ぶのがイヤだとぐずるわたしでありますが、2〜3の特例はあるのです。町田のカツカレーとか荻窪のあそことか。ここ、スパイスツリーもその中の一つ。

 

 

カレーですよ。

 

 

ちょいと雑誌の案件で神奈川で好きな店をあげてほしいというものがあったんですね。詳しい話は誌面になってからでないと開示できないので端折りますが、店を選ぶというのは難しいんだよな。

あの店は席数が小さいからこの媒体に載ると迷惑ではないか、とか(ピンとくる人はすぐ店内3席の海方面のあそこを思い出すはず)この企画内容だとちょっとあそこの店はズレてしまう、だけど載せたい。じゃあこういう切り口で紹介するか、とか。いろいろあるんですよ。

そんな中でちっとも通っていないのにどうしても人に紹介したくなる店というのがあるのよね。

 

「スパイスツリー」

 

は海方面の最右翼。

海方面でここ絶対行っとけは逗子のここと千葉県、安房勝山の「3103 croquette」。どちらも間違い無しです。

さて、開店時間の12時に遅れること15分、土曜日というなかなかタフな条件の中、それでもなんとか1回目のサークルの中に収まることができてほっと一安心。よかったよかった。

雨の予報だったので地元の人しかいないという風情でありました。雨は結局ほとんど降らなかったんだけどね。

 

さて、チョイス。

2種類で行きましょう。1種類じゃ我慢ならん。

というわけで、こうなりました。

うわー素敵だなあ。そしてごはん多いなあ。

多くて正解なんです。アジア全般、米食の国はごはん多めだよね。それは主食と言うこともありますが、もてなし。たくさん食べてね。お腹いっぱいにしてね、と言う気持ちがごはんの量に出る、そんな気がしています。

アジアの人、ごはんいっぱい食べるもんなあ。長粒米をサラッと炊いてあると軽くなるのでたくさん食べられると言う物理的なところもあります。

 

バナナ海老と樹豆

エビサンバルという風情の味の印象。

樹豆はトゥールダールのこと。それにカレーリーフが入るのでやっぱりサンバルだね。これはいいねえ。

すこしまえ、フードスタイルリストのマロンさんにサンバルをお願いして作ってもらったことがありました。

FMラジオの番組収録で、諸々が終わった後にマロンさんがそのサンバル、野菜煮込みにチキンをサッとローストとして入れてくれました。あれがやけに美味しくて、あれのことを思い出しました。

サンバルにお肉や海鮮、アリだと思うんです。絶対美味しくなります。

酸味がここちよく、しかしでしゃばりすぎておらずでバランスがいいなあ。カレーリーフがかおり、ふるふるとしたとろみが舌心地よく、止まらなくなります。これはいいものだなあ。

 

マトンひき肉とネパール山椒

コリアンダーが爽やかに効いたマトンキーマカレーです。

挽肉の目が細かくこちらも舌触りが心地よいものです。迷いのない味の決め方にぐっと絆されるような、輪郭強く、なのに自然体な旨い挽肉カレー。ああ、こりゃあたまらない。

山椒も過ぎていなくて心地よく、ベストバランス。印象に残る味でしたねえ。茹で卵がまたよく合うのよね。ああ、おいしい。

キーマカレーって自分からは所望せず、という時が多いわたしですが、ここのは違う。積極的に頼むべき理由ってもんがあります。

 

ダール

このダールは定番なのかしら。多分そうだよね。

煮込みすぎないから出せるのであろう豆の強い風味があります。いい意味で生っぽい、ソリッドな豆の味がグイッと出てこれが大変に魅力的。

どろり、というよりつるりと仕上がった豆の煮込みというところでしょうか。

舌への引っ掛かりや特徴個性はちゃんとあるのになんだかするり、とかつるりと喉を通ってゆく滑らかなイメージがあって、楽しい。とても好きですこれ。

おかわりしたい。ずっと食べていたい。

ご飯の上のじゃがいものサブジが塩の輪郭たっていい感じにエッジが見えます。他の料理と合わせるときのアクセントにとてもいいもの。

ニンジンはココナッツがまぶされるのでポリヤルの呼び名の方が近いかな。ニンジンの甘さも同様によいアクセントです。

単独でもおいしいんですがここはやっぱりカレーに合わせるべきおかずです。うん、まちがいない。

 

大根のアチャールも穏やかな味付けで嬉しくなる味。ちょっとネパールのムラコアチャールをおもいだします。ああ〜まったくもってみんなおいしい。

とはいえ、です。

とにかくやはりインド料理なので、ちゃんとチョイス&ミックスで完成となる味のもの。ひとつひとつが美味しいのが大前提ですが(もちろんその大前提をクリアしてあまりある味のレベルなんだけど)ちゃんと混ぜて好きな味を探しながら食べるのがよかろうというプレート。

 

まったく素晴らしい。いいねえ。

相変わらずのお店の雰囲気、この感じすきだなあ。

店内の光の加減が本当に実に心地が良くて、なんと言ったらいいのだろうな、安らぎをくれる空気感があるんです。これは本当に書いておきたい。いい空気。本当に良いお店です。

 

食べ終わっての毎度ながらの後悔は、こりゃもう毎度おなじみです。

おいしそうなスイーツをいつでも食べたいのですが、どうにもターリがお腹いっぱいにしてくれちゃうのでなかなかたどりつかない。うーん、困る。これでご飯の量でも調整すればいいのでしょうけど、それもつらい。たくさんのごはんでうまいカレーをどんどん掻き込む快感というのは日本もインドもおんなじで、ここのカレーもそうなのだよね。

ああ、スイーツにはいつたどり着けるのか、、、

せめてソルベとかクルフィを食べてくるべきだったなあ。

 

食べ終わってほっとしているとシェフが声をかけてくださいました。

結構なお客さんだったしお忙しそうだったから帰り際にそっとお声をかけようと思ってたんですが、気がつかれちゃってました。

 

ちょっとだけ仕事のお願い事をして、ご挨拶をして。

うれしいなあ、こんなに来やしないわたしの顔を覚えていてくださった。

もうちょっと頻度を上げなくちゃいけません。

 

だって食べたらこんなに幸せなんだからさ。