宝石商のオーナーが、その宝石店のそばに自分が食べたいものをいつでも食べられるように、と開いたベジタリアンレストランが御徒町にあります。
そんな出自を持つインドレストランが美味しくないわけがない。でしょ?
カレーですよ。
いつきてもいいレストランだなあ、と思うここ。仲良くしてくださる山木さんが最近ここで仕事を始めたと聞いて取材にやってきました。
おお、何気なく山木さんがホールにいる!不思議な光景だなあ。
料理教室やベンガルコミュニティでの山木さんはみていますが、レストランにいる山木さんは新鮮だ。
「ヴェジハーブサーガ」
この日は北インド風のターリのセット、Cセットを注文しました。4種の料理(カレー他)を選ぶセットです。
パンジャービーダル
これ、大変に美味しい。うーん、どうにもおいしい。
辛めに仕上げた豆煮込みで、ちょっと乳製品を思わせるチーズ的風味を感じるのが面白いんです。なんだろうこの感じ。
日本人はどうも豆のカレーはお好みではないようなんですけど、ここで食べると目から鱗が落ちるはずだよ。
こういう面白いものがあるんだからインド料理をなめちゃあいけない。食べれば食べるほどその奥行きに驚かされます。
ナスのカレー、ベイガントマト。
タマネギの甘味とナスのとろっとした仕上がり、辛めに決めたバランスが上手に作ってあって心地よいもの。ああ、これ好きなやつだ。インド料理のナスの使い方は本当に好きです。
カブのカレー、シャールガームカリー。
これもまたうまい。スパイス汁がたくさんカブに染み込んでいて、グッときます。ああ、いいなあ。ちゃんと野菜本来の味を残して食欲がより加速するようなスパイスチューニングでちょっとクセになる味です。
キャベツの野菜炒め、ないしは蒸し煮、ポリヤル。
サブジは北インド的、ポリヤルは南インド的な野菜の蒸し煮でココナッツが入るこれは南インドのスタイル。やーこれもうまい。こういうなんでもないおかずのスパイス使いに実は魂が宿っているのがインド料理。そしてこの店の料理にはそういうものがちゃんとのっています。
南インド風のミールスのセットもあってそちらも捨てがたいんですよね。
サンバールやラッサムなどが載る南インド地域の定食。これも食べるべきものです。両方食べるといいぞ。
サラダのドレッシングも手抜きなしで美味しいんだよ。オリジナルのニンジンドレッシングなんですけど、よくある例のインドレストランのオレンジ色で甘いやつと違っていて甘くしないのがいい。これはいいな。
店名通りで野菜だけを使う料理の数々、そう聞くと優しく穏やかなイメージの料理かな、と思ってしまいますよね。いやいやこれがさにあらず。
インド料理の秘術を尽くすと肉、魚など使わずともこれだけの味の幅と満足感を得られるんですよ。
いつもながら圧倒される世界観。やっぱりいいレストランだなあ。
あ、山木さんお仕事終わったね。賄いも済んだんですね。じゃあお茶でもご一緒しましょうよ。