増英かまぼこ店は砂町銀座きっての名店です。
おでん種専門店。炊いたおでんもおでん種もどちらも扱っているお店。ありがたいことに夏場でもちゃんと温かいおでんの販売をしてくれており、コンビニのように季節ものにしていないのが専門店らしく、納得がいくってもんです。
規模も大きく、それでも冬場や夕方の買い物客が多い時間はなどは並ばないといけないくらいの人気店なんです。
最近では商店街にスポットライトが当たることも多く、嬉しい限りなのですが、ここ砂町銀座商店街は昭和一桁の時代から続く古くて潜在能力高い商店街で、テレビなどにもよく紹介されます。そんな商店街で生え抜きとわたしが思っているのがこの増英かまぼこ店なのです。
専門店としては当たり前かもしれないですが、おでんだねはもちろん自社製造。しかも作りおきをしないで追加追加で揚げてゆくという手間をかけています。これは2020年においてはとんでもないことだと思いますよ。手間をかけ、真面目に取り組んでいらっしゃる。だからいつでも揚げたて。いつでも信頼できる。いつでも行列なのです。
さてこの日選んだのは。
ごぼう天、ちくわぶ、大根、ジャガイモ、昆布、がんも、としてみました。なにがうれしいって持ち帰りの袋におつゆをこれでもか、と袋に詰めてくれるところ。
上手に食べれば残ったそのおいしいお汁でかやくごはんを炊けるかもしれない。それくらいあるんですよ。うれしすぎるなあ、これは。
じゃがいも、大きいです。大きくておいしい。
さすがの手作り、ごぼう天が後を引きます。
大根はこんなに味が染みていい色になっているのにくずれていないのが素晴らしい。
じゃがいもも同じくです。
がんもはおいしいつゆをたっぷり吸い込んで膨らんでおり、かみつくとじゃーっとくちのなかがおつゆだらけになって幸せです。
いろいろとたまらないおでんなのですよ。
一緒に並びで買ってきたのは、「あさり屋さん」の「浅利めし」。
ここのおかあさんがどうにも感じが良くて、やんわりした口調でおすすめをしてくれるんです。おとうさんは千葉の方で漁師をやってらっしゃるそうで、とってきたあさりはどうやらおとうさんが炊いているらしい。
「漁師が炊いたあさりごはんですよ」とおかあさんがいっていました。そんなこと聞いたら絶対買うよね。割といつも早々に売り切れちゃうみたいです。
いかにもおいしそうな佃煮やおいなりさんなどいろいろあって、たまに買うアミの佃煮などちょっとたまらないものがあるんだよね。
浅利めし、うまいなあ。
上品だけど上品すぎず、ちゃんとあさりの美味しさを知った人が炊いているなと思わせる味のコントロールとチューニングに惚れ惚れさせられます。あさりとともに入る油揚げ、竹の子もうれしい。わかめが入るのは門前仲町の伊勢屋なんかとはまた違っていてそれもとてもいいと感じます。
そしていつもどおり、またも増英かまぼこ店で「カレーボール」を買い忘れたよ。あーなんでかなあ。いつも忘れるなあ。ここにいるとカレーのことを忘れてしまい、おでんで頭の中がいっぱいになるからだなあ、きっと。
こんな素晴らしい2アイテムを合わせるだけで十分に満足大きな食卓が出来上がるよ。
商店街よ、永遠に、です。