なぜ木更津港か、なぜとしまや弁当か、なぜチャー弁か。そういう話しがあるのです。わけというものがあるんです。
千葉港湾地区を知る貴兄にはそんなことは愚問であるかもしれません。
そう、
「としまや弁当」
のあの濃い味、秘伝のタレ、いや、わたしは心で「としまや汁」と呼んでいるのですけどね、あの濃い味が育まれた環境というのはここ、木更津の港湾部であるからなのですよ。
港湾労働者向けの濃口の弁当を販売しているとしまやは、いわば港湾労働者のお母さんといってもいいでしょう。
働いて働いて汗かいて、抜けていった塩分とパワーの源、炭水化物を効果的に摂るための少々伝説がかった味なのです。
うんうん、これにはどうにも納得がいくよ。
それに敬意を表して工場夜景など見ながらチャー弁を食べるわけですよ、わたしは。
工場の夜景をおかずにとしまや弁当を頬張ればいろいろな思いが込み上げます。
込み上げつつもとしまや汁にまみれて前後不覚になるわけです。ああ、もう、ああ。
工場夜景もいいものですが、そこで働く人々にリスペクト込めて、そっとこの場所でとしまや弁当を食らうのです。