36チャンバーズオブスパイスというちょっと長い名前の会社が企画するレトルトカレーはどれも特別なのです。大体どれもがその料理の郷土・地域やカルチャーに結びついた著名な人の監修であったり、名店の看板をパッケージに掲げたりするものが多くいちいち胸躍るものを感じんです。
カレーですよ。
少し前にどっさり送ってくださった、36チャンバーズオブスパイスの荷物の中身。その中から楽しみつつちょっとずつ食べてるんですよ。今日はどれにしようかなあ、の時間がなかなかに楽しい。どう考えても失敗のないランチ、確定なところが心の平穏をもたらしてくれます。いや、大袈裟に書いてると思うでしょ。これがもう書いた通りなのよ。
なにしろはずれがないのであとは自分の好みで選ぶだけで上出来の食卓を作ることができるんです。
さて、きょうは、
「エピタフカレー」
エピタフカレーは新宿・ゴールデン街のバーのバーテン氏が昼間の時間、自分が働くバー店舗を使ってカレーを出す営業を行ってきたお店の屋号です。そういう環境で生まれ、ファンを増やしてうまいカレーを作り続けてきたお店。その後その着実な歩みが功を奏して新宿三丁目に実店舗を持ち独立。推しも押されぬ人気店になっています。
そんなエピタフカレーと36チャンバーズオブスパイスのコラボレーションはちょっとしたトピックといえるでしょう。
「ケララ風チキンカレー」
良いものでした。
まず、温め、封を切ってその切り口からふわり上がる芳香。さらに流れ出るカレーソースを見れば、きちんと赤い油がたくさん入っています。うん、そこからいい香りだね。これを見てすでにいいカレーなのだと確信が持てます。
ココナツミルクとトマトのバランスがいいカレーソース。たっぷり入った鶏むね肉の仕上がりもいいですね。
むね肉の、つるりとしない少し舌に抵抗があるあの舌触りがちゃんとあっていい感じ。全体を見るとバランス型のかなり優秀な味のチューニングだと感じます。
カレーそのものの舌への直接の甘さではなく、複雑な旨味の体験から頭が「これは旨味甘味の塊である」と判断する感覚。酸味と旨味の調整がうまいところからやってくる感覚なのではないかな、これは。ようするに、すごくうまいのですよ。
鶏肉の旨味、トマトの酸味、スパイスというレイヤーから立体感感じる味に導かれるこの楽しさに驚かされます。いや、なんかすごい。
そして、ゆっくりさっていく旨味と酸味の幸せを噛み締めながら頭の汗を拭くこの感じ。
辛くはない。口辛くなく、でも汗が出る。これが本物のスパイス使いの証だと思います。
こりゃあいいよ。後を引くお味だよ。
もう一箱早々に確保をせねばいけないな。成城石井に行きましょう。