八ヶ岳界隈の別荘族とカレー好きとからはよく知られる存在のお店があります。ずっと気になっていてそのうち必ず、と思っていました。
ちょっとチャンスがあったので今回足を伸ばすことにした。
カレーですよ。
6月の雨が降らない曇りの日の八ヶ岳。なかなかこんなに気持ちいい空気の場所ないよなあ。
クルマやオートバイで走るのに最高の温度、空気です。
気分いいなあ。梅雨の晴れ間ならではの心地よさです。
向かっているのは、
「ヴィラ・アフガン」
というお店。
たどり着くとなるほど、昔の華やかだった時代の別荘持ちが好みそうな重厚で西洋民芸的アプローチの店内外。雰囲気というものがあります。まずとにかくその建物の本物感に圧倒されます。
別棟がいくつかあるようで、そのうちひとつはいわゆる馬小屋。3台の時代の離れたちょいといい、しかし行き過ぎていない趣味のクルマが鼻面を覗かせています。趣味人がやってらっしゃるか。
店まで、席までのアプローチがまた素敵でね。どう頑張ったって都市部ではこういう贅沢な空間、場所の使い方はできません。だからこそわざわざ足を運ぶ価値があるというものです。
店内は写真撮影はお控えくださいというお願いコメントの気持ちがわかるシックな空間です。少し暗めなのも上手な演出。
居心地、気分がとても良い大人っぽいお店です。
注文は、日替わりでありましょうか、季節の野菜のカレーでハーフサイズのベーコンがつくものを頼んだのですが、ランチのピークを結構な時間まわっておりあえなく売り切れ。それでは、と1番の売れ筋らしい巨大ベーコンの威容に圧倒される、
「ショルダーベーコンエッグカレー」
としました。
これがなかなかのツワモノでね。
ごはんの量を選べるんですが元々の量が多い感があるんです。そしてベーコン。すごかった。1センチ近い厚みのどでかいショルダーベーコンがどすんと乗ってきます。隣には良い具合の目玉焼きが二つ。
カレーに1600円?などいう輩を一瞬で黙らせるのに十分なビジュアルといえましょう。わたしとしては「これ、安すぎないか?」の感。すごいボリューム、適切なクオリティ。いいじゃないいいじゃない。わくわくします。
カレーソースはいわゆる欧風に向いています。手は掛けてあるけれどあまり凝りすぎないというバランス良く嫌味ないおいしいもの。
脂のコントロールの恩恵かしら、見た目よりもおなかに重くないのも良いですね。うん、こういう感じ、好きな感じです。
ベーコンがこれまた大きいし厚いしどうよこれいける?と自分の胃袋に問うくらいのボリュームでね。ところがひと口食べておやと驚きます。これまた軽いんだよ。
ええ、そうなの?という感じで見た目よりもしつこくなく軽やかでどんどんいけるんです。
ああ、なるほどこれ、人気があるのがわかる。おいしい。いいじゃないですか。
カレーマニアが目指して出かけるお店では決してなく、高原の静かな良いお店なんです。たまたまジャンルがカレーだった。そういう場所だと感じます。
そのことがとてもよいなと感じるのです。
身構える必要はないけれど、お行儀良くいきたいお店だねえ。