甲府、まだまだ面白い店があるなあ。いつも行くあのお店、売り切れごめんとかおやすみとかよく当たっちゃってちょいと切ないんだけど、他にもいいお店があるので、大丈夫。
カレーですよ。
甲府へ行くとだいたい考えなしで足が向いてしまうのが「一刀斎」。店の雰囲気もカレーライスの味も何もかも何だか好きなんだよなあ。古くからやってらっしゃる甲府のレジェンドといえるいいお店です。とはいえ売り切れも多い。人気ですから仕方がないんです。
それで、そこから始まるんだよね。まずはじめに一刀斎へ行って、空いていれば迷うことなく入る、食べる。そして次にどこに行くか(カレー)考える。つまりそういう日は2連食ということです。で、やってなかったら店の前で立ち止まって次にどこに行くか(カレー)考える。つまりそういう日はわりと当たり前に悲しみもなく淡々と店の前でどうするかを考えるんですよ。それで見つけた知らなかったいいお店。
「LIV SPICE」
もそのひとつ。
甲府城東にある、佇まいに雰囲気があって、おや、なんのお店だろうと思わせるしゃれたお店です。
店内も然り。穏やかで落ち着いたインテリアは押し付けがましくなく、しかしお店の人のキャラクターが少し浮かんでくるようなインテリアで居心地がいいんです。
メニューを見てみるとずいぶんテキストにボリュームを割いており、その想いが伝わってきます。
ホールを担当する女性が注文の方法と料理のことを丁寧に説明してくれました。ありがたいな。
ずいぶん迷ったんですが、ここはやっぱり全部盛りを楽しめる、
「4種盛りプレート」
にしてみました。さあ注文。
出てきた料理は、これは実質ミールスに相当するものでありました。
やってきた料理、どれも印象的なものばかりでね。とても楽しかったんですよ。
チキン
辛口とメニューにあったんですが度を過ぎていなくて旨辛のイメージです。ちょうどいい辛さだね。スパイスの香ばしさや複雑さを楽しむことができる調整がされていて食べていて心地が良いんですよ。深みも厚みもあって、でもしつこくなく重たくない。これはバランスがとても良いと感じます。
個性的で好みのものだな。いいなこれ。
キーマ
キーマがとてもおもしろかったんですよ。これは特筆です。挽肉は定番的な挽き具合で中挽き程度。結構なボリュームでその挽肉がさらさらで薄く色のついた透明度の高い汁の中からのぞいているというビジュアル。クローブが強く出て、ティムル香る個性的な味といい、さらさらスープと挽肉の食感の組み合わせといい、これは店主のオリジナリティがでた良カレー。お気に入りとなって印象に強く残りました。
これはいいねえ。これを理由に甲府まで足を伸ばしてもいいと思ったよ。
ベジタブル
これ、サンバルの豆強め仕立てという感じ。いや、むしろどちらも完成しているサンバルとダールを半分づつ混ぜていった感じの方が近い印象、とでもいいましょうか。やんわりとした滋味深い味わいで大変おいしいもの。カレーと呼ばずに豆と野菜のシチューだよとインド料理を食べつけない日本人に説明したい感じがあります。
こういうスパイス控えめ、穏やかでいいものもインド料理にはあるのだよ、と教えてあげたくなるような、いいカレーです。
ラサム
トマトが前に出て、酸味は強いけど刺激は抑え目というバランスのラッサム。さわやかで、これはそのままというよりも他のものに少し混ぜるといい気がしました。
なにか口に運ぶごとにその後で一回づつこのラッサムでリセットというやり方ができるのを発見、それもいいよね。
これ以外のアチャールやポリヤルなども皆よかったです。
タマネギアチャールはタマネギの甘みが出ていて地のものの野菜の力など感じてしまいます。付け合わせ類はどれも皆美味しく感心。カレーとうってかわって付け合わせ類はスパイスはあまり主張してこない感じ。だからこそカレーやご飯と一緒に合わせるととてもバランスが良いんだね。
これはなかなか大したものです。
そうそう、メニューの最後のページにバーベキューに持っていくためのスパイスシーズニングを施したお肉の予約もできるというのがありました。うわあ、これもかなり魅力的なもの。やってみたいですねえ。
このお店に寄り道してお肉買って尾白川あたりのキャンプ場に行くとかね。楽しそうだなあ。
いろいろと、また来なければいけなくなる理由が多いお店でした。
よい雨の午後になりました。