カレーですよ4619(八丁堀 ロダン)考えるカレー。

雨。久しぶりの強い雨がフロントウィンドウに降りかかる。この雨でますます狭まる外食の選択肢。うーん、どうしようかな。

 

 

カレーですよ。

 

 

この時間、夕方18時も過ぎれば移動時間を含めて考えるとすでに外食の選択肢はかなり狭まっているわけです。まったくひどい世界になったものだと何度も、毎日、思うのです。忙しさから少し時間が伸びてしまった仕事をなんとか終えてみれば、待っているのは帰り道のご褒美のない世界。暗澹たる気持ちになるひとはわたしだけではないはずです。

そしてわたしのスタイル、街をあてなくぶらりと歩いて行きあたったレストランにご縁でなんとなく入って、という楽しみはもはやなくなってしまったのかもしれません。ぶらり、が時間的な制約でできないのです。

ガイドを見て出かける外食は正直好みではありません。これはわたしのわがままなのはわかっていますが自分のスタイルがくずされるというのがこんなに堪えるとは、と驚いています。こういう思いは何度でも書こうと思っています。

そんな中、クルマで行き当たり、しかも目の前のパーキングメーターが空いているという幸運に当たったんだよね。八丁堀にある、

 

「ロダン」

 

というお店の前での出来事。どうかなあ、お店の前に行くだけでも、といってみたらそんな幸運が待っていました。中を覗くとまだ営業しています。入ってかまわなさそうな空気もあります。(そんな風にお客さんを萎縮させてしまっているのが今の政府が作り出した空気です)正直にほっとしました。

店内、強い雨の中、19時半のホールは盛況で、なんだか自分のことのようにうれしくなります。大事なのは外で食べようと言う思いの熱量だと思っています。

そこそこ人が入っていますし喋り声で賑わっては困る昨今ですが多くの人が笑顔で黙って食事をしています。心あるお客さんたちでもう一度気持ちがあったかくなりました。わたしもそっとカウンターの端に腰を下ろします。さて。

 

「チキンチーズカレー」

 

を注文してみることにしました。これ、驚きがありました。

この美しいカレー、ひとくちめはまるでチョコレートを口に入れたような香りを思い出すんですよ。驚いたなあ。香ばしく、奥深く、しかし重たくならないカレーソースで、どうにも独特の世界観を持つ良いものです。ソース表面に模様を描くオレンジ色は、どうやらカシューナッツクリームとも言えるものらいしです。マイルドで甘みの主張はしないかわりに奥行きを大きく増してくれるという有能な働き。ああ、これいいねえ。模様だけじゃなくてちゃんと仕事をしているね。

 

そして、思わず声が出たチキンの素晴らしい仕上がり。うーん、これはなんというか、スチームとローストの中間のような、ふんわりとしたちょっとセクシーな食感なんですよね。舌で押すとほろりと解ける感じなんですが頼りなさというのががない。いやこれは素晴らしい。チーズはわたしにはちと強すぎる感がありました。なしでもよかったかな。カレーソースの良さがチーズに奪われる感があるので。とはいえチーズ入れるとやっぱり美味しいよね。

ジャガイモはフライドタイプ。このカレーのキャラクターによく合うチョイスの調理法でした。あたりまえですがマッシュして謎の材料になったのを押し出して揚げたあれとは全然違う美味しさ。いいよね、揚げじゃがいも。好きだなあ。

ゆで卵は燻製でまたびっくり。あまり強すぎない燻製で好感触。付け合わせにも抜かりがなかったですねえ。

福神漬けは自家製とありました。これはおもしろかったんだよ。だんだかインドの浅漬け、アチャールから辛味成分を少し抜いて日本の福神漬けに寄せた感があってオリジナリティが高いです。これは夢中で食べてしまうねえ。

料理、大変にオリジナリティが高いです。どのようにしてこの味の決め所、落とし所に至ったのかなあ。思わず考え込みます。

おや、知らぬ間に頬杖をついて考えてしまっていました。

この店名だから当然そうなるか、そうか(笑)