仕事の帰り道、ちょっと写真を撮りたくなって産業道路を走っていました。当然通りかかる店があります。
カレーですよ。
時間は21時くらいだったかな。もうレストランはやっていない時間帯。
いつでも毎日思うこと。なんでこんなバカなことになっているのか、ということ。仕事を終えてやっとこ美味しいものにありつけるという時間帯の20時がレストランの閉店時間であるということ。しかもこれ、レストランが決めたわけではないのです。決めた人たちの根拠は薄く、あまりにも大雑把でしかも科学的ではない。そしてその影響でレストランはどんどんつぶれていっています。馬鹿らしいにも程があります。
毎日がっかりさせられて、毎日怒りが込み上げ、毎日毎日自分たちの政府の無能さに諦めにも近い感情が湧き上がります。世が世なら、場所が場所ならもう何十年も前にクーデターが起こっていたでしょう。もう何十年も前から日本の政治のダメ加減は変わらないままです。
それで、通りかかった店は、
「バーグ」
通りかかったのですが腹は減っていない。まあそれは関係ないわけです。通りかかったら入る。腹は減ってなくても入る。絶対入る。そういう店がいくつかあります。
カレーはさっき別の場所でたっぷりと食ってきたのです。しかし、腹は減っていないけど素通りできない店、それがバーグ。
時計を見ると時間は21時を廻っていました。弁当タイムです。持ち帰りましょう。メニューなど何も見ず、何も考えず口が勝手に
「スタミナ、焼きで」
と動いていました。本当にごく自然にUターンしてごく自然にクルマを止めて気がつけばスタミナカレーの弁当をぶらさげた自分がいたのです。バーグというのはそういう店です。
そしてまたクルマで移動を始めます。少し走るのですが、助手席で右に左に揺れるスタミナが気になって仕方がない。少しだけ食べるか、とクルマを止めました。別でカレー食べたばっかりなのにねえ。
「スタミナカレー弁当」
がこれ。
バーグのカレーは冷めたらおしまいなのです。濃くて重たいあのカレーソースは温かくないと食べられないと言ってもいい。つまり温めれば復活なわけですが、それはつまり家に持ち帰るということです。
そんなことよりも目の前にあるスタカレーを食べないのはどうかしている、と本能が呼びかけるのですよ。いつでもそうです。
食べればたちまちバーグの世界。
手応えがっつり、主張激しいあのカレーソースにそれ以上の主張を持つスタミナ焼肉がぶつかり合うこの豪快にして幸せな濃い味同士の荒波。
いつもとちがう、店ではない弁当のスタミナ。カレー、メシ、目玉焼きという要素がバラバラになっています。店で出てくる端から渾然一体担ったアレではなく、ちょいとスマートささえも感じます。これはこれで珍しく、面白いよね。ところがいつものように皿の上での渾然一体がないことからやってくる段取りの違い。そこから食べ終わってみればカレーソースをだいぶん残してしまうという結果になったんですよ。
それはつまりカレーソースとスタミナ焼肉の強い味と主張が白メシをいつもとは違う割合で引っ張り合い、結果スタミナ焼肉が白メシを食い尽くしてしまったということ。スタミナ焼肉だけで白メシを食う快感を知ってしまったということです。これは困ったなあ。
とりあえず帰ってカレーでメシ食おうっと。