クレイジーなコンセプトのハンバーガーショップが現れました。いや、クレイジーではなくて、あまりにも真面目で愚直!!その愚直さが奇跡を生む、すごいやつ、すごい店。
その名を、
「BAKERY & BURGER JB’S TOKYO」
と言います。
パンから作ろうと思ったんです、とブルース佐藤マスター。
ね、わかったでしょう?なんではぴいさん急にハンバーガーなの?ね、わかるよね。
ブルース佐藤の名前でピンとくる方はカレー通。佐藤店主はご存知代々木の「野菜を食べるカレー camp」を世に送り出し、大きく育てた男です。
その後の「ごちとん」もサイコーにイカした豚汁屋だし、下北沢のカレーフェスティバルの時はすごい仕掛けをごちとんで爆発させてたし。
とにかくおもしろいお店を生み出し続けているブルース佐藤マスター。その彼が大事に育て、大きく立派になったcampを完全に離れて新しい道を歩き始めたんです。大事件です。ハンバーガーなんです。
まずねパンがおかしい。
四角い食パンです。ハンバーガーのサイズに合わせて小さめの四角いパンを自店舗で小麦をひねるところからはじめて焼いている。これがきちんとおいしいんだよ。バンズは買わない。仕入れない。これが多分この店の根源の部分なのだと想像しています。ゼロベース・スクラッチを目指したんだね、佐藤さん。
パンも焼くわけで、パティといわれる肉の部分も当然お店で整形して焼いてたりするわけで、ピクルスも店舗内で作るんです。自店舗で調理製造していないものはトマトケチャップくらいのものらしいよ。(どうやらトマトケチャップも自製したかった様子)
中に挟む肉もおかしい。食べて、おやっと思ってもう一度食べて、メニューの値段を確かめるんですよ。この値段のこの味は、なんかおかしいぞ。この味、合計3000円の会計のいわゆる高級ハンバーガー店の味をさらりと越えてきています。どうなってんだこれ?
しつこさなく、しっかり脂の旨さと肉自身のもつパフォーマンスを楽しめて、なおかつおかしな舌に残る後味にしていないんです。おやおやこれは。
そしてメニューにある水出しコーヒーは予想通りのきちんとした美味しさ。佐藤店主の趣味でもあるコーヒーが良い形でメニューに反映されています。
特筆はアイスクリームミルクシェイク。いやもうこれ夢中です。シェイクしていないシェイク。カップに入った牛乳とアイスクリームを自分で混ぜてゆくというものなんですが、これもすごく美味しくてね、たまらんのです。
そしてミルクシェイクをちゃんとメニューに乗せるハンバーガーショップは、なんというか、とても正しいと感じます、この店のコンセプトのルーツと照らし合わせても。
サラダのドレッシングもとても美味しいし、とにかく全部ちゃんとしてて全部手を入れてる感がすごい。すごいよ佐藤さん。
こんなのをいろいろと出されてしまってはお話しを聞かざるを得ないわけで。
佐藤店主は本当にフランクに色々な成果をストレートに話してくれました。それゆえそのままお伝えできないこともたくさんありますけど、要するに、現在、ハンバーガーチェーンのやり方はもう参入というレベルではなくマニファクチャライズを越えるようなもので、莫大な投資と巨大なマスで回す前提でのシステムが出来上がってしまっていて、小さな店の入る隙間がまったくない。高級ハンバーガーがギリというところ。
まったくないと思われていたその場所に、佐藤店主は斧を振り下ろしたのです。やり方があったのだねえ。
それはつまり先祖返り。
原初のハンバーガーとはどういうものだったか。それをテーマにゼロからスクラッチしていきます。パンまで焼くことでパン仕入れのコストがなくなり、品質も自分の思うままにできるようになって。その分を肉の品質に当て、というような努力を重ねに重ねて形にしました。いやいやその間で儲けをもうちょっとのっけないと、と心配にさせつつも、そういうやり方で味と質をわたしたちコンシューマーに問うてくるのがこの店、「BAKERY & BURGER JB’S TOKYO」なのです。
業界騒然、戦々恐々。これはなかなかの事件なのです。
どうすればいいか。カスタマーのわたしたちは、ただ、通えばいいのです。