カレー専門のわたしであります。ラーメンは実はそれほど食べないのです。それに重ねてとあるラーメン店で手酷い仕打ちをされて以来、すっかりラーメンから遠ざりました。そんなわたしなのですが、ラーメン界の巨人、ラーメン評論のトップ、有名人、店主などなどなぜかラーメン業界の方とは仲良くさせてもらっております。(なにもかも大崎さんと山路さんのおかげです)近所の人柄良い店主のラーメン店「拉麺5510」にも助けられて10年がかりでラーメンアレルギーは解消されました。
そんなわたしなのに北海道・富良野の「富良野とみ川」、その名を知っています。なんで名前を知っていたのかなあ。誰に聞いたんだっけ。あ。思い出した、はんつ遠藤さんの記事だ。
はんつ遠藤さんとは食べあるきカレーのスペシャルユニット「食べあるキング」のメンバー同士で月に一度のミーティングで隣の席になってはハイボールでグダグダに酔っ払ったりして楽しい仲良しになりました。はんつ遠藤さんのこと、大好きなんです。尊敬をしています。
そうか、はんつ遠藤さんが推しているお店のラーメンか。期待が高まります。
「大分中津 綾鶏/あやとり 唐揚げ」「pizzeria da ENZO沖縄琉球ピザ エンゾ トライアルセット」に続いて友人を介して紹介を受けた、
「産直お取り寄せニッポンセレクト.com」
からラーメン、届きました。
前の記事でも書きましたが、「産直お取り寄せニッポンセレクト.com」は、
「地域経済を支える中小企業・小規模事業者等が、農商工連携や地域資源の活用などにより開発した商品等や、魅力ある隠れた地域産品等をウェブを通じて紹介・普及を行うことにより、地域の優れた産品を紹介・販売し、中小企業・小規模事業者の商品展開力・販売力の向上等を図ることを目的としたサイトです。」
という思いを掲げ、地域というキーワードに共感覚えるところがあって、これならお引き受けできるな、と思ったんです。一次産業や地方発の地元食のEC流通はわたしもとても興味があるジャンルなんです。
さて、3回目、「ニッポンセレクト.com」からやってきたのが、その名も、
「子供がまだ食ってる途中でしょうがラーメン 詰合せ 8食 〔石臼挽き中華そば、富川製麺所みそラーメンほか全4種×各2〕」
長いです(笑)しかもダジャレか!!はじめから衝(笑)撃を受けました。
「富良野とみ川」は強いバックボーンを持った人気店です。
1997年創業。2001年には早々製麺機を導入、自家製麺を始めます。
青森県五所川原「津軽ラーメン街道」、札幌の札幌ら~めん共和国」などのラーメンフードコート出店を皮切りに大阪難波「浪花麺だらけ」名古屋「名古屋麺屋横丁」などのラーメンテーマパークへの出店、「東京ラーメンショー2010」「福岡ラーメンショー2013」などフードイベントや百貨店催事などにも積極参加、大きな成果をも残しています。
2012には「ミシュランガイド ビブグルマン」掲載。同年「トリップアドバイザー」にも推奨が出ました。2017年にはふたたびミシュランガイド北海道2017特別版にビブグルマンに掲載されました。
こんなにすごい店ならばそりゃあわたし程度の人間でも知った名前なわけです。東京に住む人間が富良野のラーメン店の名前を知っている。それだけでも「富良野とみ川」のすごさがわかるというもの。しかも中国上海にある「拉麺競技館」にも出店されています。おお、これはんつ遠藤さんが館長やっている施設じゃなかったっけ。すごいぞすごい。
そんな「富良野とみ川」のラーメンのセット。さて、どうでしょう。
らあめん とみ川 味噌味
豚骨味噌かな、これは。動物系の出汁が前に出るまろやかで太い旨味で、うーん、これおいしい。これは好みだなあ。味噌ラーメン、大好きなんです。
とはいえよくある袋麺のそれなど比べ物になるわけもなく、街のお店で食べる味噌ラーメンとも違った個性を持っています。味噌の風味がまろやかで、甘味方面のまろやかさと口当たり柔らかさを作っていると感じます。食べ応え、満足感がとても大きいなあ。
スープがおいしくてどんどんスープだけ飲んでしまって危険です。ついこれやっちゃうんだよ。スープ美味しくてどんどん飲んでお店の人に麺すすらないとスープなくなるよって言われたこともあります(笑)なんというか、ラーメンスープなわけですがラーメン要素を外してスープだけでもいけそうなまろみとクセになる美味しさがあるんです。すごいものです。麺が喉越しよく、きちんと麺だけの味が美味しいのも特筆。やっぱり味噌ラーメンいいなあ。
子供がまだ食ってる途中でしょうがラーメン
魚介出汁がどんとくる濃厚な味のスープ。それによりクラシックなラーメンという風情、バランスが良いと感じます。油でスープが麺によく絡み、すすっていてとても楽しいです。スープだけ途中ですするなんてことをせずとも十分に麺がスープを掬い上げて口まで運んでくれて素晴らしい。
生姜は自分で用意しましょう。フレッシュをすりおろして入れると切れ味が出てきてこれまたいいんです。スープが強いので生姜はちょっと多いかな、くらいの感じで入れてもバランスしてくれますよ。おいしいなあ。
そうそう、この名前。「子供がまだ食ってる途中でしょうがラーメン」というのネーミング。実は倉本聰さんから直々のお墨付きをとりつけているんだとか。それもまたすごいなあ。すすっていると田中邦衛さんの怒り顔が目に浮かびます。「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」しょうが、、しょうが、、、
富良野拉麺
石臼挽きの麺は食感良くちょい縮れ。スープは醤油、鶏、豚、鰹の合わせ出汁です。これがおいしくてねえ。醤油をあまり前に出し過ぎず出汁の要素を見せたいのかな、と感じる味の調整。油の層が厚めで食べ応えが出ています。ああ、これだよねえ、油の層。油の層が大事なのはラーメンもインド料理も共通です。油には旨味や風味を溜め込んでおける力がありますからね。
ネギや味玉など自分で入れてみましかけど、食べると途端にそれら味がぐっと前に出るんですが、スープは乱されず。あっなんかすごい。それら具材の味が引くと何事もなかったようにまたスープの味が戻ってきてまるで魔法のようです。派手さなくどっしりしていると感じる味です。本当にスープが揺るぎなく、大人っぽい滋味と出汁素材の渋い味、香りを安定して送ってよこしてくれます。後味の鰹の香りと舌に残る油の旨みが印象的。これ、いいなあ。
どれも常温保存が可能な、いわゆるインスタントラーメンと同じジャンルのものとはかけらも思えないようなすごみある美味しさでした。しかもこのセットのラーメン、本来「富良野とみ川」の地元である富良野地区のお土産店などでしか手に入らない特別のものなんです。それを「ニッポンセレクト.com」さんたっての願いでECサイトに出品してくださったんだとか。これは貴重です
「富良野とみ川」は日本初、ラーメン店で「石臼挽き自家製粉」を開発、自店でラーメンとして提供したのだそう。当然ですが小麦粉って挽いたもの、粉しか流通していませんよね。それを独自でルートを作って麦そのままを入手、玄米ならぬ玄麦を石臼で挽くところから始めたという、まさに開拓精神を思わせる取り組み。「自家製粉」なんて滅多に聞くことはありません。そんな取り組みで麺に対する思い入れがすごい。その後、自家製粉の石臼挽きの小麦粉をこんどは自家焙煎。「焙煎小麦粉」を作り出しての製麺。雪の中で小麦粉を熟成させる「雪中熟成小麦粉」使用の「雪中小麦中華そば」なんていうメニューもあるそう。こんな話を聞くと店に行ってみたくなりますよね。店のホームページを見たら薄茶色にまだら模様が入る麺が箸上げされている写真があって「うむ、おんなじ模様!」とか食べていて嬉しくなりました。
しかもお店の場所はドラマ「北の国から」でご存じ、麓郷の「五郎の家(拾ってきた家の方)」のほんのすぐそばにあるそうです。そういうご縁もあったから「子供がまだ食ってる途中でしょうがラーメン」というのネーミングに倉本聰さんから直々のオーケーをもらえたのでしょうね。
いや、ますます行ってみたくなりました。
実はわたし、札幌の「Sapporo City FM」に番組を持っています。自分のクルマで道内をぐるりと半月間、ほっつき歩いたこともあったり。その時に立ち寄った富良野駅、深夜でしたが翌朝の編成の連結をこれからするから見ていけば、と駅の清掃さんが言ってくださって、ありがたく写真を撮ったり。北海道には並々ならぬ思いがあるのです。
そんなご縁もあって今回の「富良野とみ川」さんのラーメンが「ニッポンセレクト.com」を介してやってきたのはご縁を感じました。
まずは北海道を旅する日が再びやってくることを願いつつ、ラーメンをもう一度食べます。まだあるんだよね。うれしいなあ。