カレーですよ4640(レトルト 味楽来 カンボジアチキンカレー)甘くて辛くてすごいヤツ。

またも36チャンバーズオブスパイスがやってくれました。あの池袋の変わった店の看板をパッケージに冠したレトルトカレー。まあよくあんな変わった店の(褒めている)レトルトを出したものだなあ。毎度驚かされるよなあ。(褒めている)

 

 

カレーですよ。

 

 

いつだったかな。数年前ですが、ぴあムックの池袋特集本をお手伝いしたことがあります。思い出した。2018年春の仕事だ。ぴあMOOK「東京食本VOL.3」。「カレーの達人推薦 池袋の五つ星カレー」というコーナーをもらいました。

その特集ページ、カラー見開き4ぺージのトップに登場してもらったのがこのお店。

 

「味楽来」

 

中華料理店なんですけどね。池袋にあります。5年ほど前、まだまだ中華カレージャンル確立とはなっていない中華カレーの小ブーム前夜、噂を聞いて行ってみたことがありました。当時のメニュー名は「エスニックカレー(辛口)」だったと記憶しています。今もそうなのかな。

食べてみればなるほど、中華のカレーではないと言っている理由がわかります。赤い油の層が表面を覆うなかなか期待させるビジュアルで、油と八角の香りがどんときて、はじめはどことなくミャンマー料理を思いだしました。中華要素はあるにはあるけれどそれ以上に中央アジアというより南アジア寄りのイメージだったな。聞けば店主はカンボジアの出なのだそうで。それでカンボジアスタイルカレーなんです。

 

さて、そしてこのレトルト。

はなっから36チャンバーズオブスパイスがやった仕事ですから安心、大きな期待を持って食べましたがまあ、これがおもしろかった。

食べると、辛い。すごく辛いんです。でも甘いんだよ。

口に入れると甘さと辛さがいっぺんにばーんとやってきます。甘いけど辛い辛いんだけど甘い。頭が混乱します。ほんの少しだけ甘さの方が早く来て、そのまま辛さがドーンとくる感じでしょうか。実は食べる前に油と唐辛子が浮かんでるのを見てちょいと覚悟をしてたんですが、ただ辛いばかりではなくて、甘くて辛いというバランスの取り方をちゃんとやってあってどうにも面白い。これ、確かにあの店のあの味だよ。

カンボジアカレーの名前なんですが、先程のミャンマーに続いて思い出したのはベトナムのカレー。さつまいもと甘いカレーソースでそんなことを思ったわけです。

そもそも料理というもの、食べ物を国境単位で考えるのはナンセンスであり、境目になる鉄線や柵、川を越えて深く広がっているものなのです。だから似たもので違う国のものがあったとしてもなんの不思議もない。そういうことを考えながら食べるとますます楽しいカレーです。

しかし、やってくれるな、36チャンバーズオブスパイス。

毎度次の一手が楽しみで仕方ありません。