モデルの村田倫子さんとは少しだけご縁があります。アキノ・リーさんがイベントで紹介をしてくれました。確か、浅草橋だったんじゃなかったかな、会場。
村田倫子さんはどうやらわたしのことを知っていてくださったようで「やっとお会いできた!」とおっしゃってくれた記憶があります。
彼女は業界の中でも特Aクラスのカレーマニアと言っていいでしょう。似非ではない、本当の本物。その発言や行動にきちんと愛という裏打ちがある、そういう尊敬すべきカレー好き。大変に素晴らしい。
そんな彼女は雑誌「hanako」の公式ウェブメディアで連載を持っているんです。わたしもたまにみておりました。ファッションやモデルの話しではないよ。その名も、
「カレー時々村田倫子」
うむ、なんというか、感慨深い。こんな時代がやってきたのだねえ。美しい若いお嬢さんがカレーというテーマでweb連載も持って。それをみて読者や村田倫子さんのファンの方が「わたしも」とカレー店に足を運ぶ。こんな流れ、外食のカレーを30年ほど食べ歩きをしている身には夢のように感じます。
https://hanako.tokyo/column/curry-and-sometimes/
その連載「カレー時々村田倫子」を再編集。新しくページを加えたカレーのエッセイ集がこの本、
「村田倫子のカレーびいき」
です。
うん、いい。素晴らしい。彼女のTwitterで告知を見て一も二もなく予約をしました。
あまりごちゃつかせないシンプルで洒落たレシピブックのような印象の表紙、好感が持てます。
表紙のカレーを一眼見て「あっ!小さかった女。しばらく行ってないなあ、行きたいなあ」とつぶやきます。あのおいしい玉ねぎのピクルスを思い出して胸が苦しくなります。初めから、表紙からこうだものね。
お店の都合もあれば編集の都合もあるとおもうんですよ。しかしながらこのお店チョイス、村田倫子という人はなかなかの眼力、チョイスのセンスを持っているなあ、とうれしくなります。「ネグラ」、「アーガン」、「トリコカレー」というチョイスの幅。こりゃあなかなかのものですよ。トリコカレーの佐藤店主を誌面に引っ張り出すなんざ、彼女の人間力、ちょっとたいしたものだと思うのです。
ご当地レトルトカレー専門店の「カレーランド」を訪ねていくところなんかもなかなかにマニアックで媒体の性質からすれば避けて通りそうなところも取り上げ、それを媒体が受け止めているのも素晴らしいな。
文章もセンスが良くて、伝えたいものがあることを強く感じられる文章で好感を持ってしまいました。カレーの写真をかわいい!かわいい!と呟きながら撮ってるというくだりには共感を覚えずにいられない(笑)おじさんがやるときびしいものがあります。おんなのひとはいいなあ。
好きなものがあるひとが、その好きなものを書いた本は楽しいですよね。