カレーですよ4764(千葉山武市 セーナーニレストラン / セーナーニ カントリー・イン)泊まってカレーも可能。

クルマで九十九里の海岸にいました。が、夜。夜は海岸にいてもあまり楽しくないよね。何しろ太平洋の波打つける砂浜であるからして対岸の明かり、サンフランシスコやロサンジェルスの灯は見えないわけです。そんなこんなでカレーにしようと考えました。

 

 

カレーですよ。

 

 

山武市界隈、ぽつりぽつりと面白そうな店があるんだよね。なかよしドライブインはその中でも出色のお店。何度か足を運んでいますがいつでもサイコーの空気があります。

この夜見つけたのはゲストハウス。

 

「セーナーニ カントリー・イン」

 

という名前の本須賀海岸そばにあるアメリカンダイナーとバイク乗りモーターサイクルライダーのためのゲストハウス。海岸から徒歩で3分ほどではないかしら。住宅街に広く敷地をとった建物が見えました。

入り口はゲストハウスの受付も兼ねているのかな。

ちょっとした体育館ほどのサイズというのは言い過ぎ、、でもないよね。少なくとも風呂屋サイズは有に超える天井の高いホールです。2×4の剥き出しの柱や高くて気持ちいい吹き抜け天井がいい感じ。バーカウンターがあったり大きなスクリーンが用意されていたりして楽しげな空間です。広いので昨今の距離感も楽々クリアできるパフォーマンス。こりゃいいね。

しかもオーナーがとても気を遣ってくれていてきちんと距離を保って接客してくれるんです。感染症対策。ああ、とても真面目なのだねえ。安心だねえ。

さて、メニューを見るとカレーを頼むのを躊躇するようなアメリカンダイナーのメニュー。バッファローウィングやハンバーガー、ステーキとチリビーンズやナチョスなどが並び、うーん、そっちがいいよなあとか考え込んでしまいます。でも、カレーだやっぱり。チキンカレーと野菜カレーが選べるようです。

 

「セーナーニ野菜カレー」

 

を選びました。

意外なことに、セナーニ野菜カレー、繊細な模様の皿にごはんが盛られ、ソースポットで提供されます。おやっと思って食べてみる。うむ、これ、上質だぞ。

 

野菜の旨味とバターやクリームの奥行きでやさしくて口当たり良い、まじめなカレーライスなんですよ。ちょっと良いホテルのラウンジなんかで出てくるような、すうっと背すじが伸びる味がするんです。あららこれは美味い。辛いものが苦手な人もいける、口当たり柔らかで後から少しだけ口とお腹があったまる実に塩梅いいやつです。

ブロッコリ、じゃがいも、にんじん、タマネギ。難しい野菜を使わずともこの美味しさ。家では作れない方面の、洋食レストラン(洋定食屋にあらず)の味わいがありました。海沿いの住宅地のレストランでこれが出てくるとちょっと驚かされるなあ。

大満足でほくほくしていると、一人食事を楽しんでいた洒落た感じの男性、常連さんかな、声をかけてくれたり、オーナーのサマンさんが冗談を飛ばしてくれたりします。うーん、穏やかで楽しい雰囲気で気持ちがやんわりします。耳の調子が悪いのが悔やまれるよ。

気持ちがほんわりしてお店を出て。

あとで「セーナーニ カントリー・イン」のことを調べたら面白かったんです。

オーナーはサマンAペレラさん。アメリカインディアナ州生まれのインド系アメリカ人。子供時代に地元インディアナポリスのスピ ードウェイでカートをやっていたそう。ホンダのレーシングチームに見出されレーシングライダーとしてスカウト、活躍。そうか、エントランスにあったレーシングマシン、NSRだったかな。あれはサマンさんのGPマシンそのものなのか。すごい!

レース中の事故で足切断の可能性を出してきたアメリカの病院の治療を断りホンダが提案した千葉山武市の整骨院での治療から順天堂大学病院で足首に人工関節を入れる手術で回復したそうです。もともとレースの合間に日本の有名ホテルの厨房で仕事もしていたことがあり入院治療で縁が結ばれた千葉での生活の土台を築いたのだとか。それで納得、あのカレーの味はホテル仕込みであったのか。いやいや納得が行きます。

 

大変面白いストーリーで、何かうまくタイミングや媒体を調整してサマンさんにインタビューをしてみたいものだなあ。また行きますので。