なんだったのだろう。かんなさんの言うとおりかもしれないなあ。ご縁と言うやつだよね。
カレーですよ。
本当は限りなくカレーなしよ、なんですが。
その日は4号線を水戸方面に向かっていました。例によって部屋を出遅れて昼近くになってやっと都内から埼玉へ入ってと言う体たらく。うーん、道中長いんだけどこれではいかん。これではいかんのだが腹は減るわけです。
クルマ移動というやつは電車とは違って駅を点で結んでいくような場所感覚が弱いと感じます。クルマは今いる場所の意識が公共交通機関より希薄だよね、言うのがわたしの持論。
空腹からいつも通りにGoogleマップでカレー店を検索、、、をするまえに地図上に自分でピンを立てた、
「チャヴィペルト」
が目に飛び込んできました。おっと、こりゃあいかん。なるほどいまは草加あたりだったか。
時間も腹具合も場所もぴたりと「チャヴィペルト」に向いています。以前よりはマシになった耳と心をもってすれば「チャヴィペルト」行きもなんら多難なことはないぞ(おしゃべりとかしたいから)。ずいぶん久しぶりの訪問になりました。
お弁当を買うことにしたんですよ。そっと買ってスーッと去ろうか、なんてことも思っていたんですけどさっそく厨房から発見されて、かんなさんがこれでもか、とおかずを詰め込んでくれました。おいおいこの量(笑)その日の全部入りと言っても過言じゃないぞ。
テンペの唐揚げ
ちょっともくもくっとした食感でおいもっぽい感じもあったテンペ。食べ応え強く、そこにスイートチリソースが効果的。ボリュームがあってうれしいですね。お腹ふくれる感じ。
ゴーヤのツナサラダ
ああ、苦がさわやか。ゴーヤがガッチリ苦くて夏の終わりの気分がふわりとします。苦味は引きが良くてとても爽やか。あまりマヨマヨさせない寸止め味付けに好感が。いいねえ、これ。
ブロッコリーとまいたけのガーリック醤油ソテー
パンチがあるけどまろやかで、ごはんがずんずん進む味。よいおかずだなあ。これ、好きだなあ。野菜が調理でパワーアップされています。いい、いいおかず。
夏野菜のレモンクリーム煮
これ特筆。この日のわたしの中での優勝メニュー。レモンクリームがまったり爽やかでね、これはいいねえ。ひよこ豆がほくほくっとして良いアクセントになっています。レンコンやズッキーニがとても美味しいし食感もいい。ああ、これ好みだあ。これは好きな人多いだろうなあ。ボウルいっぱい食べられるぞ。
おから煮
やっぱりおからはとても好き。しっとり仕上げでにんじんとネギが良い感じに効いています。ほっとするよね。おいしすぎてちょっとほろりとする。こういうのがいいよなあ。こっから先の年齢はこういうのでずっと行きたい。
ピーマンとまいたけのチャビィスパイス煮
これはね、間違いなくサブジ。この記事を「カレーですよ。」枠に入れたのはこのおかずのおかげです。酸味と、ちょっぴり喉を焼くほんのり辛さとスパイスがいくつか重なったいい香りでとても幸せ。ホールのマスタードシードが見えかくれしてました。ああ、ベビーコーン、おいしいなあ。ピーマンもちゃんと苦味がある良いものでね。夏、野菜料理、スパイス。いうことがないなあ。
カレーは7月までは金曜日にやってたんだけど、思うところあってメニューをリニューアルしたそうです。
大根と岩船麩の煮物
大根もお麩もおいしい。すごくおいしい。旨味染み込む楽しい煮物です。幸せなニッポンの味。これいい。とても好き。こういうのがいいよねえ、という年齢になりました(笑)。いやいや、若い頃から美味しい煮物は好きだったよ。
あとは、これはからし菜かな、それとネギ、えのきなんかが入ったコチュジャン炒めみたいのもありました。これも好き。ああ、全部おいしいよ。玄米のごはんもおいしいし。一切れ添えられたいぶりがっこの素晴らしさときたらもうね。
どれもきちんと野菜の風味や良さを残しつつ、けっして弱すぎない味付けがしてあって、オーガニックとか植物由来でまだまだ普通の人がイメージしてしまうであろう「薄味、物足りなさ」といった印象を跳ね飛ばしているのです。素晴らしいことだよ。ちゃんと健康、でも食べ応えも食べる楽しみもあるというのはという尊いと思います。
かんなさん、入れすぎだってばおかず(笑)
うれしい、おいしい、お腹いっぱいすぎ!なので2回に分けて食べたよ。おうちに帰って器を変えて盛り付けて楽しみました。
チャヴィペルトは都市共生型のオーガニックファームです。元々江戸時代から続く農家さん。現世代、五代目となるお二人、中山拓郎さんとかんなさんがとんがったコンセプトを打ち出して始めたのが2005年だそうです。いや、とんがった、は間違いかもしれないな。当たり前のことをただ思いのままに折れず真面目にやっているといった方が正しいと思う。見れば、話を聞けばそういうのがよくわかるから。一度行ってみるといいよ。
やりたいこと、見せたいものが強くある農業のスペシャリストのお二人なのです。農業と限定して言い切るのが憚られるんだよ、その取り組み。環境や循環を考え、町との連携や地域のことを考え、野菜の受け手、顧客たちのライフスタイルを考え、シェフたちに刺激を与え続けるおふたり。すごいことです。
売っているものも農家の直売所、じゃなくてフードセレクトショップなんです。野菜に限らず良いと思ったものだけを並べて他からも良いものはどんどん引っ張ってきて売っています。お酒も、ジャムや蜂蜜も、調味料も野菜もあります。
そうだな、カレー関係で言えばインドアメリカン貿易(シャンカール野口さん)とアナン(メタバラッツさん)のスパイスが抜かりなく置かれていてなるほど、と唸ります。アナンのカレーボトルホワイトが欲しかったんだけど扱いがないようだったので(アナンのあれは便利でずっと継続して使っているよ。鎌倉に買いに行かねば)同じくアナンが作っているチャヴィペルトオリジナルの「やさいスパイス」を買うことにしましたた。使うのが楽しみです。
デリカテッセンのコーナーも先ほどのお弁当の内容の通り、とても充実しています。
かんなさんのこと、大好きなのよ。あえば絶対長話しになる。楽しかった。拓郎さん不在は残念。
バイバイを20分かけました(笑)。いやね、レジでバイバイしてからデッキまで見送ってくれて、またそこで喋って。そんでバイバイして、デッキ下まで来てくれて、また喋って。そんでバイバイして。おしゃべりが止まらなくて後を引きすぎて楽しすぎる(笑)。
やっていることを伝えたいという情熱が近くにいると直接熱として伝わってくるような、すごい人なのです。だからやっぱり帰り難い。
ちょっとなにか皆さんにも聞いてほしいお話しばかりで、なんとかラジオの出張収録を実現してみたいと思っています。まっててね。