そうだ、久しぶりにスープカレーが食べたい。八王子に行こう。
カレーですよ。
スープカレーが食べたくてなんで八王子に行くのよ、そう思うでしょ?八王子、なぜかスープカレーのお店が集中しているのであるよ。なんでなんだ。
GARAKU、セブンウェスト、Rojiura Curry SAMURAI、北海道スープカレー屋、Soup 麺 Curry BLACHA、奥芝商店など2店舗もあるんだぜ(以前は奥芝商店スープ工場という持ち帰り冷凍スープの工房もあったのだとか)。インドレストランでスープカレーを出すお店もあるとかないとか。なぜだか東京のスープカレーのメッカは八王子ということで間違いないようです。
さて、この日は、
「奥芝商店 八王子片倉城」
お店は一軒家で和風の雰囲気。レトロスペクティブなブラウン管テレビやらなにやらを置いて雰囲気があって面白い感じです。一番乗りでお店に入ってまだ行列もなくて助かりました。
テーブル、座敷、カウンターと一人客から団体さんまで自由自在の席のレイアウトです。早い時間、わたし以外にお客は一人だけだったのでテーブルを所望するも、若いおにいちゃんが困った顔をしたのですぐにひっこめてカウンターに座りました。若者を困らせるのは本意ではないのであるよ。
注文は、
「奥芝流ハンバーグ、チキンスープ、レンコン追加トッピング、辛さ3、ごはん普通盛り」
と。
いつもながらスープカレー、注文だけで疲れ果てるのです。なんか、なんだろう、気疲れか(笑)。いや、そんなに色々調整できないでもいいんですよー。そういう感は正直やはりあります。これが楽しい人ももちろんいるしそれはいいんだよ。でもなんかガッチリ作って「これがお店からの回答!」みたいなメニューが好きなので。
そんな極個人的面倒を乗り越えるとうまいものが待っているわけです。
さて、ハンバーグスープカレー。これ、あれだな、東京駅のお店の「おくしばーぐカリー」相当品ということになるのかな。
スープ、やはりうまいねえ。酸味と旨味とからだの奥から汗をかかされるスパイスと。なかなかにいいものですよ。大変おいしいです。奥芝商店とくれば海老出汁!というイメージもあるんですが、基本のチキンカレースープ、いいものだね。
野菜たっぷり。ただ素揚げするものばっかりじゃない調理があるのがありがたい。野菜、全部揚げちゃえばいいってもんじゃないですよね。にんじんがねグラッセかというくらい甘さを引き出してありうれしくなります。かぼちゃもなるほどよく合うね。ああ、おいしい。
そしてハンバーグがお見事。これまたすごく旨いのよ。まずは串に刺さったどでかいハンバーグにびっくり。ナツメグとローレルが効いた洋食ストロングスタイルハンバーグです。普通にメインディッシュを張れる大きさと実力があります。中挽きの肉のおいしさがきちんと伝わるナイスな下味。いうことがないなあこれ。
この夜は用意されたお箸を使って「ごはんはお箸でのみ食べる」というルールを自分に課してみたのです。おもしろかったよ。それによってスープカレーというものの本質が見えた気がした。ようするにスープカレーは汁物、味噌汁、スープであってカレーライスではないんです。カレーという名前がつくからメシにかけたくなるじゃないさ。それを出来ぬように箸で白メシを食べることにしたわけなんです。
するとスープの中の具材は箸でつまみ出して食べるとおかずに、スープ自体は味噌汁のポジションになるんです。そんな気づき。おかずと味噌汁がいっしょのどんぶりにはいっているだけ。これ、つまり洋定食じゃない。そう理解しました。メインの具材がハンバーグだから気がついたんだと思う。なるほど、そうかあ。そうなのか。カレーじゃないんだよ。カレーライスではないの。
ちょっと気づきのある面白い夜になりました。