カレーなしよ(小村井 ビリーザキッド墨田本店)胸に空いた穴ボコを埋めに。

ちょいと最近、深夜の肉が足りてない気がしています。まあ、年齢的によろしくないんだけど、それはわかっちゃいるんだけどね。カラダの健康と心の健康はこと肉に関してはなかなかバランスしないのです。

 

 

カレーなしよ。

 

 

深夜の肉は、深夜のドライブと似ていると思っています。カラダの健康を考えるならさっさと寝りゃあいいのですが、心の健康という部分で深夜、クルマを走らせるという行為はわたしにとって心の安らぎでもあり気持ちの切り替えどころでもあり、アイディアのみなもとでもあるのです。

言い訳をすれば、どうも悪いクセがあって夜の方が物を書いたり考え事に集中できるというのがあるんです。そういうサイクルの中で深夜3時までやってるステーキ店が文脈として大事なポイントに在る。そういうことなのです。

 

「ビリーザキッド墨田本店」

 

なんとなく所在なさげにひとりで肉くってるご同輩もいたりして、居場所なきはらぺこのメンズが集うあの感じもね、いい。店のにいさんねえさんたちもどんどん代替わりするんだけどあの空気感みたいのは途切れずに連続していて、なんだか腑に落ちるんです。

頼むものはもう確実に決まっていて、とくに考え込まずに口が勝手にソラで注文を呟きます。

 

「インディアン」

 

それで、途中でメキサラダのおかわりを頼んで。あとごはんを大盛りにしてみたり、メキスープを追加してみたり。

ここには必ず、深夜にひとりでやってくることに決めています。なんでそうなったのかな。隅田本店にたまに行っていた頃、その後結婚して荻窪に引っ越し、荻窪店に長く通って。そういう中で、別に決め事じゃないのに一人で行くクセがつきました。頼むものももう30年ほど変わってないんじゃないかな。それでいいと思っています。

誰にも邪魔されず、話しかけられず、知った顔もいなくて。だけど、いつもの自分の場所。

そういう場所で安いんだけど、その安さなりに悪くない肉と対峙するのです。それは胃袋と同時に胸に空いた穴も塞いでくれるのです。

いつもそう。腹と胸に空いた穴ボコを埋めに来るんだよね、ここには。だからひとりがいい。