カレーですよ5757(市ヶ谷 新宿中村屋×ヤマモリ 共同開催メディア勉強会)えっ?!と二度見の中村屋とヤマモリの共同開催!!

先日、光栄なことにヤマモリの広報様から招待をいただきました。それで、思わず二度見をしたメールの文面。え、なんだこれは。

 

 

カレーですよ。

 

 

そのタイトルに驚いたのです。招待をいただいたのはヤマモリの広報様からなんですが、もう1社、文面に名前があるんですよ。どうなってるんだこれ。

なんでもメディア勉強会という名目でメディア向けにプレゼンテーション、調理デモンストレーションと試食を提供するという趣旨らしいんです。新製品の発表会とか年次新商品と関連付けとか経営ビジョン説明とか、よくあるそういうのではないらしいんです。

題して、

 

『夏の五感を調えるスパイス and ハーブ~プロがレトルトカレーを「至福のひと皿」に変える“技”~』

 

というもの。ちょいと長いそのタイトルの上にもうひとつ、表記がありました。

 

「新宿中村屋×ヤマモリ 共同開催メディア勉強会のご案内」

 

え!え!なに?なんで?「新宿中村屋×ヤマモリ」って書いてあるよ、、、

これ、画期的だと思うんです。どういう経緯でそうなったかは野暮なので広報さんには聞かなかったんですが(企画と調整は大変だったとは聞いています。そりゃそうだ!)、メーカー間を越えての共同開催は画期的だと思うのです。なんというか、レトルトパウチメーカーとしてはある意味ライバル同士であるわけで。大手の両横綱などは水面下で火花を散らすような場面もあると聞いていますし、それだけに驚きです。

カレー業界はちょっと面白い空気があると感じています。わたしは外食のカレーをメインに取材などして扱う仕事をしていますが、光栄なことにラーメン業界の記者や重鎮とも繋がりがあります。なので色々教えていただくことも多く、外食産業としてのラーメン業界は群雄割拠の戦国時代、特に大手の買収吸収が大きく報道されたりと非常にダイナミックに動いている業界であることを認識しています。

一方外食産業としてのカレー業界。不思議なくらい穏やかで、横のつながり強く、あまつさえその技術やアイディアを共有までしてしまうという独特の空気があります(LOVE INDIAチームとかね。他にも色々)。ラーメン業界とカレー業界、背中合わせという感があります。乱暴ですみません。ヤンキーカルチャーと帰宅部という例えをよくします。頷いてくれる方が多いです。

とはいえメーカー間という話しになればまた別でしょう。スーパーマーケットでの棚割り、フェイス取り、キャンペーンなど苛烈な戦いを知っています。そういうなかでカレー業界らしさが強く滲む今回の趣旨、業界全体、カレーに関する企業という括りで考えると、業界を牽引していくような思いで一石が投じられた感が強くありました。歴史の転換点として記憶されるのではないかという催しがこの日の勉強会であったと感じているのです。

プログラムはまずスパイスライフアドバイザーの大平美弥さんのお話しから。久しぶりにお会いできました。

美弥さんの講演テーマ。「酷暑」という言葉が夏を前にすでに人々の間で口にのぼる今年ですが、どうにも全世界的に厳しくなる気候の中で、スパイスやハーブを使ってからだを整えてはどうか、というアプローチがテーマでした。大変興味深く、面白かったです。キーワードに「風」と「熱」というのを持ってきて、それぞれをドライスパイスを柱に置くインド料理=新宿中村屋のインドカリーシリーズとハーブを柱に置くタイ料理=ヤマモリのタイダンスシリーズに例え、日々のサイクルの中どう取り入れてどう活用するか、というアプローチを提案してくれています。これがなかなかに面白いんですよ。「風」とか「熱」なんて聞くとアーユルヴェーダを思い出しますが、それとは少しニュアンスが違って、しかし根幹ではきっと繋がるだろうな、ということを思いつつ拝聴しました。

そののち、マーケと広報さんから両社の歴史や料理のことについてお話し、という充実の内容。

ここからデモンストレーションタイム。ヤマモリからは名古屋納屋橋、日本屈指のタイレストラン「サイアムガーデン」(ヤマモリ(株)が運営)総料理長のパカマス・タンシリピンヨーシェフ。すごいなあ。名古屋から足を伸ばしてくださった。パカマスシェフとは伊勢醤油本舗の上野毛戸さんにランチにお誘いいただいたときに紹介をいただいていました。覚えてくださっていて感激。新宿中村屋からは瓜生マイスターと金谷シェフが登壇。瓜生さんに久しぶりにお会いできました。うれしい。

 

レトルトカレーのアレンジデモンストレーション、大変に面白かったんです。「両社の開発・料理責任者が登壇し、「完成されたレトルトカレーのポテンシャルを最大限に引き出し、一瞬で『至福のひと皿』へと変える、誰でもできるプロの技」を実演。」ということで、まったくもってその通りで素晴らしかった。

ヤマモリのマッサマンにハーブ、パクチーやミントなどのフレッシュを加えると軽やかさが出るのが楽しかった。レモンを絞るの、いいですねえ。グリーンカレーにフレッシュバジルトッピングも。炒めたパプリカが目に鮮やかでした。ゲーンパーは「森のカレー」だからレトルトで十分野菜が入って完成させていますがさらにゴロゴロ茹で野菜トッピング。カボチャ、エリンギ、オクラにインゲン、パプリカなど。色合い楽しく食感よく。どのアレンジも現地の食卓で実際に楽しまれているやり方だそうです。パカマスシェフの手際の良さと繊細さが光ります。

中村屋はインド料理の手法で完成度高いレトルトカレーをさらにブラッシュアップ。ビーフスパイシーにはテンパリングオイル追加。ホールのシナモン、カルダモン、クローブで香り立ちが違ってきます。スパイシーチキンにはマサラを煎じたものを投入。これ、面白かったなあ。お湯を加熱してスパイスを入れて成分、風味を水に溶け出させる。煎じるというやり方、忘れていました。

ベジタブルカリーにはスパイスパウダーと夏野菜の素揚げを追加。スパイスを乾煎りスパイスをミルで粉砕。パウダーで使用。それも香り良く、そして改めて中村屋のインドカリーのシリーズのポテンシャルの高さを思い知りました。瓜生マイスターにお話を聞きながらのデモ観覧は贅沢なものでした。

気象庁からの今夏の見立ても出ていますが「酷暑」への備えが社会的にも重要という空気をひしひしと感じます。たとえばガジェット方面ならソニーの首筋クーラーとか。ウェア類はユニクロからしまむらまで普及帯のウェアリングに対酷暑の機能性のものが増えていますよね。空調服も当たり前のものになりました。食も然り、です。そういう空気をつかんでの今回の開催は価値のあるものでした。

食欲がどうしても落ちる暑さの中、逆にそういう時こそしっかりと食べることが大事になります。そんな中、スパイスやハーブを多用する「カレー」という料理、調理法での栄養摂取はインドやタイなど、アジアの亜熱帯から熱帯にかけての食のノウハウ、厳しい環境のなか育まれてきた知恵が積み重ねられたものです。そういうものの理解や日常に取り入れるアイディアはますます大事になってくると思います。

 

そうそう、最後に。この会に参加しての感想アンケートを書きました。少し端折りますが、載せておきましょう。この取り組みが続いていきますよう祈っています。こういうのはなんでもお手伝いしたいですね。

 

問1. 参加理由

ヤマモリ様と新宿中村屋様が共同開催というのは画期的。レトルト食品業界へ一石を投ずる価値ある会であると理解。

問2.今回の全体の満足度とその理由

大いに満足な内容。大平美弥さんの「風と熱」というキーワードが良かった。わかりやすくイメージを膨らませることができる語り口。調理デモも大変良かった。デモの調理卓上のスパイス、ハーブのコーディネイトに圧倒された。見た目も美しく、そういうところからも両社の力の入れ具合が強く伝わった。

問3.最も印象に残った内容は

デモンストレーション。両社のトップシェフの招聘に感激。価値があるものだった。開発の核になるシェフに直接皆の質疑ができたのは大きな価値。

問4.試食の感想と特に印象に残ったアレンジは

甲乙つけ難い。両社のレトルトシリーズ仕事柄よく食べているが、作り上げた方々に説明をいただきその体温を感じながら食べるというのは特別。時代が変わり、高価格帯のレトルトもずいぶん増え、認知もされたが結果中価格帯となった両社のレトルトパウチ製品、あの価格なのにこういうレベル高い味なのだと改めて感慨を覚えた。レトルトを「手抜き、簡易」と捉える人が多くい多時代を経て現在、選ぶべき「ご馳走」となったことを再確認。

問5.「ヤマモリ」に期待すること、求めている情報などは

タイダンスシリーズ、変わらず進んで欲しい。パネーンやゲーンパーなどタイ料理のかなり踏み込んだところまでカバーする姿勢は素晴らしい。変わらず日本でのタイ料理文化の浸透を支えていって欲しい。希望を申し上げればせっかくのビリヤニブーム、生かせないものかと。タイ料理のカオモッガイを袋に詰められないものか。釜めしの素シリーズは愛用。定番以外に種類が入れ替わるのが楽しい。

問6.「新宿中村屋」に期待すること、求めている情報などは

思い出話しをお伝えしたく。学生時代から旧本店ラコンテのランチに通っていた。当時学生には少々高価であったが料理の質、ラウンジ然としたシックな店内、クラシックなお給仕服のウェイトレス、ウェイターの価値高い接客に勉強させてもらった。ある時友人が一緒にラコンテに行って一言「レトルトと同じ味がする」。「いやちがう。この味が先にありきだ。レトルトの再現性が高いのだ。レトルトと同じ味ではなく「レストランの味に迫るレトルトのすごさ」が正解だ」と伝えたことがあった。そんな思い出。今だとよくわかるのだが、料理には個性がある。ラコンテのカリーの味はいわば「中村屋節」であったのだと。種類ごと、明確にどれも味が違い、しかしどれもがちゃんと新宿中村屋の個性と味をもつ。そういう尊いもの。そういうものを守ってくださればそれで十分。

あえて前記ヤマモリ様のところでも書いたが、コンシューマー向けのレトルトパウチでのビリヤニ製品などあれば楽しいのではないか。中村屋節、中村屋イズムに則った上でのレトルトビリヤニ、あったら楽しい。

問7.「ヤマモリ✕新宿中村屋」のコラボイベントへまた来たいと思いましたか?その理由を教えてください。

必ずまた参加したい。内容もさることながら、レトルトパウチカレーの業界大手、別々の企業が共同で開催する勉強会というのは知る限り他に事例がなく画期的、大変な価値だった。次回開催を待ちながら俯瞰、鳥瞰の形で業界全体を見渡していきたい。この催しがニッポンのレトルトパウチカレーの何か一つの分岐点になるのではないか、そういう胎動を聞いたのではないか、と思っている。

問8.その他、ご意見・ご要望・ご質問がありましたら、ご自由にご記入ください。

国際紛争や経済戦争など面倒が多い世の中になった。国、宗教、政治の単位になると敵対心が生まれたりするが、同じ食事を並べてテーブルにつくと、個人対個人というのは仲良くなれると信じている。食にはそういう力がある。相手に興味を持つところから、そのきっかけになるのは「食」。そういうところから相互理解が始まる。日本国内での分断も、国産紛争も食と個人の想いで乗り越えられると信じている。職を経由すれば理解は必ず生まれる。そのその一助になりたく、両社をお手伝いしたい。