カレーですよ4449(青梅 夏への扉)ゆっくり流れる時間の手触りさえ感じる、あの窓際。

本当に久しぶりになってしまった。大好きな場所。大切に思っている喫茶店。

いろいろと世界が変わっちゃったんでおいそれと、もあるんだけど、それだけに大好きなお店たちが元気でいてくれているのかが心配になることも多いです。

 

 

カレーですよ。

 

 

ここは青梅。たしかに遠くにあるのですけれど、ここだけのために青梅までやってくるんだよ。いつもそう。その価値があると思っています。

中央本線の青梅駅の手前にある跨線橋。けっこう高さがあって、下を見るとちょっとした谷のよう。

そんな場所、その跨線橋のすぐわき、崖の上に、

 

「夏への扉」

 

という喫茶店があります。

ちょっと古い建物で、雰囲気があってとてもいい。お店に入ったらだいたい線路側の席に着きます。

窓から見下ろせるその小さな谷の底、線路が走っていて、オレンジ色の電車がゆっくりと通ります。必ずゆっくり。なんでかっていうと青梅駅がすぐ近くだから。鉄輪が線路のつなぎ目を踏んでゆく音がゆっくりしたリズムで聞こえます。

それで、カレーもある。野菜カレーとチキンカレーが用意されています。今日は、

 

「チキンカレーセット」

 

を注文。

カレーや飲み物を待ちながら、そぼ降る雨を眺めるとも眺め、その中をゆっくりとやってくる中央本線の線路を叩く音を聞いていると、気持ちが穏やかに穏やかに解けてゆき、なんとなくまどろみがやってきてしまいます。寝てる場合じゃないんです。おいしいカレーがやってくるから。

 

さて、カレー。

 

これがとても甘いんだよね。いつ食べてもおもわず破顔してしまう優しい甘み。とても自然で、とてもおいしい。はあ、とひとつ、ため息をついてしまうくらい穏やかで甘いです。

なのにきちんとスパイスが役割を果たし、主張をしてくる面白さもあって、これはたいしたバランス感覚だと毎度、思わされるんだよね。

いいなあ、本当にこのカレーは大好きだなあ。ご店主の大傑作と呼びたくなります。

このどんよりとした空と雨音の、落ち着く雰囲気にピタリとくる味だと感じるな。

カレーをたんと楽しんで、外の雨を眺めて。

ゆっくりゆっくり時間が経って、雨がやんだりふったりして。

 

そうか、こういう時間が欲しかったんだな。

最近こういうのなかった。みんなキリキリとしてなんとなくざらざらした空気だったよね。

深呼吸できる自分の場所を見つけておきましょうね。