いろいろな意味でクルマ、大活躍です。本当に持っていてよかった、助かった。
カレーですよ。
まさかこんな世界になってしまうとは思っていませんでした。
いろいろな情報が飛び交い、ひとつの向かうべき場所を確定という形には未だなりません。もちろん研究者の方は日々努力、医療の現場の人は1秒1秒を必死に戦っています。そしてわたしたちも食い扶持を確保するために変わってしまった世界で必死です。
いろいろな意見がある中、考えられる現在最善の方法は自分で安全を担保することだと考えています。クルマ、持っていてよかった。
都市部、臨海地区に住んでいるとクルマを維持することはなかなか大変です。たまたま妻もわたしも独身時代からクルマを持ち続けるライフスタイルだったため、結婚してもごく自然にクルマを1台、所有し続けることになりました。それがこんな形で功を奏するとはね。
それで、取材は基本クルマで行きます。バブルが崩壊して少子化が叫ばれる中、その時間の動きと連動して渋滞が減ったり高速道路がその機能を取り戻しつつある感もあります。クルマの集中は緩和されてきている体感があり、やっと都市部でもクルマを使おうという気持ちになってきている気がします。
まあそれは、長い余談。
人形町から日本橋界隈。実は人形町筋はちょいとクルマを停めやすいんです。特に夜。
そんなことを思い出して人形町から日本橋本町あたりに出かけました。カレー屋さんを見つけました。
「カレーやキッチンカナメ」
というちいさなお店でした。カウンターだけのかわいらしいお店です。
なんだか空気感が好きだな、と思って席につきました。なんか、ほっとする。ご店主が気さくに声をかけてくださいます。あ、この感じ、好き。「今日も暑かったですね。」「いや、ほんとうにね。」たったこれだけで気持ちが緩みます。そうだね、人とお喋りをなるべくしないように気を使ったり、誰かにできるだけ会わないで済ませられるように心がけたり。心がすり減っていきます。そんな時にほんの少しでもこういう人とのやりとりがあると気持ちがほどけていくのが分かります。
さて、カレーは柄にもなく、
「チキンカツカレー」
などを。揚げ物カレーを頼んでしまったよ。わたしとしては珍しい選択。
いや実はチキンカツが好きなのです。とても好き。カレーに乗せるならトンカツよりもいいのではないかとすら思っているんです。
やってきたカレー。欧風カレーの様子が見えます。
枕木を思い出す深く濃い茶色で、ひとくちスプーンを運んでみると、ちょっと舌に引っかかってくるごく薄いざらりとした感触、手応えがあります。ああ、これ、いいぞ。つるつるの舌触りのカレーライスは苦手なのです。手応えってものがあるのはいい。
ちょっとチョコレートっぽいコクとほんのりの苦味がまずやってきます。隙間からお肉や骨を使った出汁が顔を覗かせて。濃厚ではあるんですが、コッテリではない。濃厚とコッテリは違います。深い味なんですが軽やかなのが素晴らしい。好きだなあ、このカレーソース。
では、カツを。
チキンカツというのが良いね。我ながら良いチョイスをしました。鶏ムネ肉というのもいいな。
程よい下味と薄めの衣で単独で食べてもとてもとても美味しいです。衣がサクサクの時もカレーソースでゆるんでも良い印象は変わらずで。これはなかなか実現できているお店、多くないのではないかしら。
わりとカツカレーは避ける、ないしは「ああ〜おばちゃん、カツ、ごはんのてっぺんに置いてやって!カツにカレーかけないでやって!」と叫ぶことが多いんです。それでカツはソースをもらってそれをかけて別で食べたりします。
わかる、そんな奴はカツカレーを食べるな。わかります。なのであまり食べません。
ここんちのチキンカツはトンカツソースなどは欲しくならない調味調整で、まったく素晴らしい、バランスがいい。
カツの下からジャガイモが出てきたのは嬉しかったな。別茹でのジャガイモで、ねっとり感も程よいおいしいやつ。カレーソースによく似合っています。
おもしろかったのが、添えられた針生姜。いいアクセントだなあ、これ。いいアイディアです。
きちんと総合力があり、それぞれの構成を一つづつ食べてもちゃんと美味しい、良いチキンカツカレーでした。大きな満足感が残りました。
お店はご夫婦お二人でやっていらっしゃる様子。大変に感じの良いお二人で、おいしいカレーと笑顔くださる気持ちいい空気がありました。
味と人、ふたつの肝腎要の「カナメ」があるいいお店でした。
こういう店を応援したくなるんだよ。
大いに応援したくなるよ。