最近、カレーに関しては、地元に根っこをはやし、長く営業を続けているお店を探すことが多いです。知らぬ間にそんな感じになりました。特に地方に行った時はそういうお店がないか、探したり確かめたりしに行きます。
カレーですよ。
長くやっているお店には理由があると思います。その土地で支持される理由。そういうものを知りたいなあ。いつもそう思います。
高崎。北陸新幹線のガード脇に位置する懐かしきカレーハウス業態。ネオンサインも神々しいその名も、
「カレーハウス 味乃印度屋」
は、一目見て気に入ってしまいました。こういうのがいいんだよ、こういう感じ。こういうのが好きなの。
印度の名がつく店ですがもちろんインド料理ではないです。カレーライスの店。クラシックな木のテーブルと椅子。クロスに印度風の柄が使われ、その上にビニールクロスが重ねられるのが昔風で嬉しくなるねえ。ちょっと高級店というか、昔のファミレス的というか、広めに取ったホールやテーブル、椅子、いろいろな部分にそういう感じが見て取れます。1983年の創業。そろそろ40年に届こうかという歴史。
注文は、
「チーズハンバーグカレー」
にしました。
出てきたカレーを見てまた嬉しくなるわけです。
あえて言いたくなる「無駄にデカイ」ハンバーグ(笑)うれしいなあ。
ドバッとカレーが全部にかかっているので構造解析が大変なんですが、どうやら、皿の上にまずごはん、その上に焼きチーズ、次にハンバーグ、そして最後にカレーソースという順番でレイヤードされています。カレーソース、良いね。多分昔からこの味で、そのままそれが現代までやってきたのでしょうこの感じ。バックトゥーザ・フューチャー感があるよ。
甘辛いクラシックカレーアンドライスの味ですこれは。こういうのが食べたかったんだ。ハンバーグは柔らかくて家庭的な感じ。ごはんも、カレーソースもどれも盛りがよくて、食べても食べてもなくならない(笑)チーズの焦げがちょいと過剰なのが玉に瑕ですけどギリギリ範囲内かな。
サラダのドレッシング、和風と特製が出てきます。どちらも手作りのようで、これまた懐かしき昭和的味わい。たまにこういうのと出会うと嬉しさが込み上げます。
わりと閉店間際に飛び込んだので、ホールのおねえさんが「あと30分くらいしかないけれどいいかしらね」と聞いてきます。ああ、世知辛いなあ。そう、20時すぎて客が店内にいてはダメなのだよ。もちろんオーケーと笑顔で答えます。そしてこういう物言いをせねばならない気の毒な飲食店に胸が痛むんです。
おねえさんはまったく悪くない。仕方がないんです、こういう世界になってしまったから。この言い方に腹を立てる客などいなければいいんだけどねえ。店が悪いわけではなく、おねえさんが悪いわけでもなく、政府の施策は多少問題あるかもしれぬが疫病がなければこんなことはなかったわけで。
それを頭に入れて我々お客も含めて気持ちをともにして外でメシを食うんだよ。それをやめてはいけないんだ。外食の文化がなくなっちゃわないように。
こういうお店、古くさいという人も多いかもしれませんが、逆にこういうのがいいという人が多いというのもまた事実。だからこその40年近くの営業です。
懐かしき雰囲気のカレーライス専門店。都内を出ねば出会えなくなってきたなあ。
長く続いてほしいと切に願います。