すこしまえ、実家で中華を食べる会を催そうということになり、妻が見つけてきた中華料理のお店で持ち帰りを3000円ほど作ってもらったことがありました。なかなかよかったんです。年老いた母が食べられるようにと酢豚やナスの味噌炒め、エビチリなどわかりやすいメニューをチョイスしたんですが。
カレーですよ。
その時にふとメニューを見たんですが、四川中心でかなり面白いメニューを載せているんですよ。
中華屋さんではなく中国料理専門店という風情のラインナップだったなあ。こりゃあおもしろいなあと眺めていたら、そこにカレーの文字を見つけてしまったのです。
ああもうこれは再訪フラグです。いかねばならない理由ができました。
「本格四川料理 天香府」
というお店、亀戸の十三軒通り商店街の中程にありました。
ランチタイムに入店、改めて見るメニュー、圧巻です。
まず目を引いたのがグランドメニューに挟み込んであったスペシャルメニューのPOP「栄養満点!シカ肉料理」のコピー。うむ!いきなりジビエがあるのね。続くグランドメニューにも「牛血管のクミン味炒め」「血豆腐とモツの激辛スープ煮込み」「羊のホルモンの四川炒め」なんていうのがラインナップされていてなかなか刺激的。
「鶏肉の新疆辛味煮」「鶏とじゃが芋のの湖南風炒め」なんてのは絶対食べてみたいですなあ。「カイコの蛹強火香り炒め」とかウシガエル、蜂の子の料理なんてワイルドなラインナップもあって、とにかく中華料理じゃなくて中国の地方料理、チャイニーズエスニックなのですよ。
驚くべき店が地元にできたものだなあ。
定食メニューも充実しています。本来定食メニューなら定番的なものやわかりやすいものになりそうなところを「ラム肉のクミン炒め」とか「湘味のホイコーロー」「漬け白菜とビーフン炒め」「豚肉の四川風煮込み」なんてのがずらりと出ていてカレー味じゃないものをさっさと注文したくなるくらい実に魅力的でこまってしまいます。
とはいえカレー。カレーですよ。まずはカレーです。カレーの名前が冠されたメニューは、
「牛肉カレーご飯」
でした。
その名前に思わず思い出す中華街の「保昌」。さてどんなものが出てくるだろうね。
でてきたそれは、とろみつきカレー粉風味炒めかけご飯。そういった風情のものでした。大体それで説明になってると思う。うん、なかなかこれは良いものだよ。
カレーライスでは決してないというのがまずいいんだよね。
ジャガイモは薄くスライスされ、お肉は豚のブロックがたっぷりと容赦なく入ってきます。ちょいとクセある味がいかにも中国料理に入ってくる豚肉の風情でいい感じ。醤油系の煮豚の感でしょうか。これは旨いなあ。つまみにしてもいいなあ。ビールを出せない現在の社会情勢が恨めしいですね、この味は。
付け合わせのザーサイは四川風に辛く仕上げてあってこれがまたいいの。真っ赤なそれを器からご飯の皿の端に乗せてやると中華カレーの雰囲気が増して楽しいんです。
カレーライス的なソースに具材浮かぶものではなく、言ってみればインド料理のジャルフレージ的な炒めスタイルと例えられるかもしれません。これも正しく中華カレー。ちっともカレーライスらしくないですけど、そこなのよ、ポイントは。
中国ではなかなかカレーが普及しないんですね。日本の大手メーカーが30年かけて浸透を試みるも、今でこそスーパーに行けばカレーの棚があるし(規模は小さいそうです)都市部にはCoCo壱もあります。しかし日本のようにみんなニコニコカレー大好きではないようす。
そんな中、昔から唯一カレー粉で味付けをする料理だけは早いうちから普及があるようで、こちらは定着しています。あくまで調味料としてのカレー味アプローチなんだね。したがってカレーライスではないものが中国式の正しいカレー味料理なのです。
旨味としょっぱさで食べさせる中国式カレー炒めかけごはん。うまかったなあ。また食べるよ。
その前にいろいろ食べたいものががあるな。ひとりじゃ無理だなあ。
【MEQQE】「気付けば1万食突破!はぴい’sカレーですよ!MAP」
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