カレーですよ5146 番外編(神田小川町 小川広場)第11回 神田カレーグランプリ2023 グランプリ決定戦。

先日、11月4日(土)神田小川町(駿河台下)の小川広場(千代田区神田小川町3-6) にて、

 

「第11回 神田カレーグランプリ2023 グランプリ決定戦」

 

開催、ステージに登壇しました。楽しかったな。

4日の17時、カレーの偉い人たちとの登壇でした。一条もんこさん、カレー細胞松さん、スパイシー丸山さんとわたしがカレートーク。神田地区のカレーの面白さや今回の「第11回 神田カレーグランプリ2023」のトピック、神田地区での最近の進展や動きなんかの話し、色々な話題をおしゃべりしたんですよ。

あらためて「神田カレーグランプリ」というのは強いコンテンツだなあ、と思い知ったわけです。

神田=日本の「カレーの街」のトップをひた走る神田神保町を核とした神田地区。神田カレー街、です。横須賀とともにカレーをテーマとした町おこしで日本一成功しているという認識があります。横須賀、神田共に甲乙つけ難い二大カレーの街巨頭です。

「神田カレー街活性化委員会」は神田=カレーの町のイメージを作り上げた功労者ですね。中俣委員長の努力や苦労は想像を絶するものだと思います。街のイメージを一つ作り上げたわけですから。ものすごいことです。地元企業、商店との連携が強いんだよねえ。規模と認知度の拡大で地元企業も「このお祭り、この取り組みを応援せねば」というマインドに間違いなくなってきてるいと思います。

全国への影響力も大きく「カレーの街とくれば」の問いに神田神保町の名前が必ず上がるはず。

そんな「第11回 神田カレーグランプリ2023 グランプリ決定戦」、熱い戦いでしたが以下の通りの結果が出ました。

 

第11回 神田カレーグランプリ2023 【グランプリ決定戦結果】

グランプリ

cafe & dining jimbocho(ジンボウチョウ)

準グランプリ

秋葉原 カリガリ

第3位

BAR CAFE 三月の水

 

神田カレーマイスター賞

べっぴん舎・本店

神田カレーSpecial Aword(審査員特別賞)

R スリランカ TOKYO

(次点: ハンバーグ専門店 松屋精肉店/非公式)

⚠️

次点を非公式としたのは神田カレーグランプリが公式に表明していない為。審査員一同の評議の中で議論となり、その旨を審査員代表プレゼンテーターの松さんがステージで言及しています。わたしも審査委員ですがこの2店のカレー、甲乙つけ難かった。

 

 

以下は全部のお店のカレーを現場(会場)で食べて感想メモを書きました。あくまでわたしの主観で、尚且つメモ書きです。立場的、仕事的に普通の人の判断よりも多角的にみてはいると思いますが、それでも個人の感想と言えましょうそういうメモです。これを土台にほかの審査員と意見を交わしている中で印象が変わったものもありました。あくまで参考です。

全試食はなかなか大変でした。なので写真は撮りきれなかったものもあります。

 

・ターリー屋 神田西口店

神田カレーグランプリ初出場のターリー屋です。 インドテイストのチキンケバブとキーマカレーの相性はバツグンです!2番ブースでお待ちしてます。

正しくいつものターリー屋の味。弁当のサイズがレギュラーサイズでお得感、いつも通り感が強い。安定の味。

 

・Kitchen723

完全手作りにこだわったチキンカレーとふわっとトロける チーズが合わさった最高の一皿です。多くの方に食べて頂ける様に甘口もご用意しました!ぜひご賞味ください。

苦味で締める切れ味がいい。おうちカレー的だがスパイスを乗っけてきてる面白さ。手をかけた味。

 

・cafe & dining jimbocho(ジンボウチョウ)

スペアリブを特製スパイスカレーで煮込んで柔らかくジ ューシーに仕上げました。味変でスパイシーチーズチップとレモンの皮で最後までお楽しみ頂ける一品です。

なるほどレモンピール。カレーに少しだけレモン香りが乗る感じ。洒落た仕上がり。

 

・カレー食堂 心 秋葉原店

2019年以来2度目の出場!世界から認められた「アンデス高原豚」を使用したGP限定メニューで参戦。試行錯誤を重ね完成した最高の一皿をぜひご賞味ください!

肉、うまい。が、ちょっと難しかった。おいしいのだが個性というところでこういう場所では損をする味。惜しい。

 

・秋葉原 カリガリ

グランプリ決定戦最後の出場となる今回。大変悩みました が、最後はやはり当店の原点であり頂点であるアキバ盛りカレーをお出ししたいと思います!どうぞご賞味ください!

ちゃんとスタイルを持っているのがわかる。みんながすきだけど食べたことがないという、そういう落とし所をえらぶのが巧みさを感じる。カレーの世界の面白さ、扉を開いてくれる感。多数賞を獲ってきた実力がわかる味。

 

・カレー食堂 たんど~る

初出店です!千葉のブランド豚の房総ポークをほろほろ に煮込み、ルゥは日本人に合うように考案した自慢の重層的スパイスカレーです!ぜひご賞味あれ♪

スタンダードなジャパニーズカレーライス。抜けの良いカレーだった。

 

・中国料理 翠(すい)

始まりは名店のまかない飯、中華料理人が本気で作る 逸品です!牛バラ・牛スジをしっかり煮込み3日かけて仕上げる本格カレーと炒飯のハーモニーを是非!

カレーは甘辛でなかなかいい。中華カレーという感は薄く、意外や欧風方面も少し感じさせる。チャーハンは絶品。が、どうもカレーとチャーハンのかみ合いが弱い感があって少し残念。別々で食べると強く良さが出る。

 

・ガンディーマハル

第1回から連続出場はお客様のおかげです。感謝の気持ちをこめてスタッフ一同、今年も頑張ります

おいしい。チーズナンもいい。スタンダードなインド料理でみんながすきな「ニッポンのインド料理」の味。

 

・ハンバーグ専門店 松屋精肉店

老舗精肉店5代目がハンバーグとともにお届けするカレー。チャツネの甘味とコク。スパイスの刺激と肉の旨味。三位一体の味わいをご賞味ください。

ハンバーグ、すごくうまい。これは素直に店に行きたくなる。ちょっとこれよすぎて驚いた。カレーは甘さと辛さの手綱捌きがうまい。甘いんだけど辛いんだけど甘い。クセになる。店に行こう。

 

・京風カレー おこしやす

店舗では提供していない「カレーグランプリ限定メニュー」!グランプリ決定戦では炙ります。

レベル高い。手をかけてある、バランスもある。多くの人に刺さる味。

 

・タイ料理 ジャンピー

世界のスープベスト100で1位獲得の北タイ人気カレー ラーメン!辛さ控え目Spicy&Mildな絶品スープをベースに、カレーGP限定スペシャルジャンクVerでご提供!

ココナツマイルドで食べやすい。麺で勝負に出たのは勇気があると思う。麺で出場の店は苦戦している感があるから。香りヨシ。タイ料理なんだけどソフィスティケイトがあってタイ料理らしからぬ感も。いいものだ。

 

・Restaurant 1899 OCHANOMIZU

「鶏そぼろ」と「昆布と鰹節の出汁」が特徴のキーマカレー です。和食料理の食材やその料理法に着想を得て料理に取り入れています。和のカレーをぜひお楽しみください。

ほぼ和食。カレー要素としてはその部分は少ない。変な言い方だが蕎麦を食べているような面白さがある。こういうお祭りで出してしまうには勿体無い繊細さ。

 

・BAR CAFE 三月の水

昨年準優勝。次こそ優勝!とお客さんに激励され今年 はこれで勝負。無水ココナッツに牡蠣の旨味。辛さはマイルド、海のミルクカレー!

乳製品関係の香りがふわりでとても良い。上手に「みんなの好き」を体現できている。牡蠣を上手に生かせている。おいしかった。

 

・ラホール 外神田店

独自のルーは玉ねぎ・野菜を炒め、スパイスをブレンドして作ったインド風カレーです。是非ご賞味下さい!

ブラックではなくインドで勝負。正しいと思う。が、ブラックの個性をここでぶつけるのも面白かったかもしれない。辛さで食べられない人も出るはずで、それを避けたのは賢明だがちょっとおしい。ポーションミルク程度のサイズでブラックカレーを添えると個性が際立ったかもしれない。

 

・べっぴん舎・本店

北海道・美瑛の大地で育まれたストレスフリー の美瑛豚を、辛さを抑えたグルテンフリーな、べっぴんカリーにしました。

手間のかかるオペレーションをやり切る体力とコントロール能力が垣間見える。ストレートに美味しいし、神田神保町の新世代の代表と言ってもいい味。

 

・Restaurant Mari(レストラン マリ)

ゴロゴロ野菜と食べ応えのある豚バラ肉、旨みをしっか り引き出したルーが自慢の大人気カレーがGPのスペシャルバージョンで登場!

食べまないとわからないよさがある。肉のレベル高く、きちんとおいしい。料理をやる人間に刺さるようでそこら辺を言及している審査員もいた。

 

・R スリランカ TOKYO

初出店!甘辛旨味のバランスのとれたスリランカスープカレーに(炙りチーズマッシュポテトほうれん草キノコチリペースト)4種トッピングのGPスペシャルを是非ご賞味ください!

脱帽。とにかく美しい世界観を持った店であることはわかっているのだが、その世界観を屋外でやってしまうという怖さ、凄みを感じた。ワンウェイなのに器からして凝ったものを選んでいる。スキレット型。そこに美しく盛り付けられた九州ランカ。圧倒された。

 

・インド料理 ザ・タンドール

大人気!チーズナン!!本場のインドカレーを日本の方に合わせて提供しております。今回で6回目の出場です。

チーズナンは純粋にただもうおいしい。こういうのは飛び道具に近い。

 

・金沢ミルカツカレーおちゃのみず

サクッとジューシーな「ミルカツ(ミルフィーユカツ)」と、デミグラスにフルーツの甘さとスパイスが効いた「カレー」のマッチングをお楽しみください!

甘うま系。ミルカツ上出来で食べ応えあり。すごくおいしい。カツにソースかかってるのは好みで嬉しい。このソースつきミルフィーユカツでカレーと合わせるというのがいい。

 

・T.dining

三重県亀山市の実家の養豚場直送の豚肉の部位を厳選し自家製の味付けで作った超粗きソーセージを自慢の黒カレーと合わせました!肉汁がアクセントになり違った味を楽しめます!

黒カレーはちょいとクセあり。ソーセージは驚きのうまさ。

 

 

結果がすごく面白い。準グランプリが専門店でグランプリと第3位はカフェやバーが獲っているのです。つまり食べる人にとっては専門店も他ジャンルの飲食店も関係なく自分の味の好みだけで決めているということ。神田カレーグランプリにくるお客さんはマニアの人も多いけど、たまたま街に遊びにきていた人や古書市目当ての人も多く、割と日本の平均的な舌の好みが出る気がしています。

今回は古書市と時期がずれたのでそこも少し関係したかもしれません。それと肉のブランドや品質を謳う店も多かったのですが、食べ手はそこらへんあんまりみていなかった感があります。店では売りになるのですがインベントだとすこし弱いのかもしれません。具材で食べさせるカレーの時代はひと段落したかもしれないな、と思うところがあります。

それとは別の切り口になるのが神田カレーマイスター賞と神田カレーSpecial Aword(審査員特別賞)。神田のカレーを食べ通したマイスターが選ぶ味。「べっぴん舎・本店」は味、実力ともに納得がいくなあ、と思っています。

神田カレーSpecial Aword(審査員特別賞)、わたしも審査員を務めましたが「R スリランカ TOKYO」は正しいチョイスだと思っています。正直グランプリには「R スリランカ TOKYO」は現時点では選ばれづらい。これは「R スリランカ TOKYO」が悪いのではなくて、現在の日本人の大多数の舌が好むレンジの中にないだけであって、それよりもう少し経験値のある、食にこだわりを持つ舌に刺さる味だからだと思っています。だからこそ今回神田カレーSpecial Awordのような枠を作って、そこに今回の審査員のような人間を送り込んだことに意義があると思っています。

神田カレーSpecial Awordはこれからどんどん光を増すであろう店をひと足先にピックアップする賞といってもいいのじゃないかと思っています。そういうつもりで選びました。

ここらへんは書ききれないのでラジオでおしゃべりしようかなあ。

スタンプラリーはまだまだ続きます。

皆さんもマイスター目指してお店を巡ってみてください。