カレーですよ5162(伊勢崎富塚 HOUSE DA CURRY / ハウス ダ カリー)可能性感じる地方発信カレー。

面白そうな店を見つけたんであるよ。おしゃれでちょっととんがってる。いろいろと見るべきポイントが多かったお店。

 

 

カレーですよ。

 

 

例によって調べもせずたまたま見つけたこのお店、第一印象はロードサイドのオシャレなカフェという感じでした。

ネオンサインの看板の文字を声に出して読んでみるとどうもなにかどこかで聞いたことのある名前だなあ、と思うのですよ。あれれ(笑)

 

「HOUSE DA CURRY / ハウス ダ カリー」

 

といいます。ね、思い出す(笑)

大きなカウンターと奥のテーブル席。広々としています。照明や壁など落ち着いたモダンな感じの居心地良い快適店内。

ホームページを見ると、

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『ファストフードだけどグルメカレー』

お店で仕込む8種類の本格スパイスカレーを1杯480円から提供する、キャッシュレス推奨(現金も対応可)、テーブルのQRコードでお客様のスマホから注文して頂く非対面式、非接触の注文、お会計システムのニュータイプのカレー専門店です。テイクアウトの事前注文もご用意しております。

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と綺麗にまとまっていて、なるほどわかりやすいねこの説明は。

メニューも面白いのですよ。これ、あそこから引用、インスパイアかな、があるのが面白いしメニューの幅を考えるとなんとはなしに今の日本のカレー業界の縮図的に見えるのです。これはなかなかに重大事。

 

インドからはバターチキンカレーとキーマカレー。タイからはグリーンカレーとレッドカレーにタイカレーまぜそば、カレー屋さんのタイ風スパゲッティなど。麺もやってるのすごいなあ。

欧風の牛すじ黒カレーに大阪の名前を冠する旨辛ポークカレー。カシミールカレーは湯島から、チーズキーマカレーは原宿なのか神宮前なのか。実に面白いぞ。ざっくりとコンパクトにまとめたここ20年の日本のカレーの俯瞰的なものを感じます。まったくおもしろいことをしてるなあ。

実はこういうラインアップ、破綻しがちなのですが(そういうのみたことがある。なんとかファクトリーとかなんとかラボとか)どことなくそれを感じさせないのは、店内調理にこだわり、素材本来の味わいを健康的に、というコンセプトがあるからかしら。母体になった10年続くカフェでの蓄積、その安定感もあると思われます。

さて、注文は、

 

「ミートボールプレート」

 

としてみました。

店一推しのミートボールとサラダと副菜がたっぷり入ったカレー2種のセット。カレーが選べるので「カシミールカレー」と「旨辛ポークカレー」に。

さて、カレーだよ。

きれいな楽しい盛り付けでやってきます。

まずはカシミール。確かにカシミール的ではあるんですが、ちょっとニュアンスが違う感もあっておもしろい。リーの30倍とかの雰囲気も思い出したりで想像力を刺激されるんですよ。いやこれは本当におもしろいぞ。舌にざらりとくる食感にスパイスを感じさせたり、辛さもしっかりあるんですが度を越えていないというのも好印象。いいと思うこれ。

旨辛ポークカレーは後味にほんのり苦味が個性になっています。ジャパニーオーセンティックカレーライスなんですが甘うまで、ちょっとバターの香りもあってちゃんと個性を出しています。これはみんなが好きな味だよねえ。

このふたつを混ぜるとどうにも好みの味になってスプーンが止まらなくなるんです。いい、いいね。

自家製ミートボール、なるほどおいしいな。ボリュームもあってお肉らしさがあって良いかんじ。トマトソースも上出来です。特筆は、サラダ。たっぷりの量、きれいな色味、野菜のちゃんとした扱いでシャキッとしています。これいはいいサラダ。自家製にんじんドレッシングもよくできていて大変おいしかったです。

副菜もどれもちゃんとしていて納得がいきます。ああ、ほんと、ちゃんとしてるんだよ。

これ、どれもいいものだね。カレーを一通り食べてみたくなります。23時までやっていてくれるのも特筆。ありがたいです。

 

都市部一極集中の構造だったレストラン業もずいぶん前から地方からの発信というものが増えてきています。地方ならではのビルインではない単独一軒家であったり広い店内であったりと、余裕ある駐車スペースなど、都市部では難しい部分を強みにしていると感じます。

都市部と違って地価の低さや一次産業の場所から近いのも強みになるでしょう。なおかつ都市部のトレンド発信地域に負けていないコンセプトやオシャレ感をもつお店も少なくない昨今。パッと思いつくのは宇都宮の「ハリーカリー」とかね。平塚の「ニューローズ」もそう。

徐々に「高速道路を使ってわざわざ食べにいく」というようなやり方、当たり前になってくるのではないかな。

 

フードツーリズムという言葉がメディアに上がるようになり、ラグジュアリー方面での注目がされることも多い昨今ですが、カジュアルな路線での気軽なフードツーリズムも徐々に輪郭が見えてきている気がしています。