カレーですよ4545(川口 きんたろう弁当 チェッターヒン)埼玉川口の弁当店にミャンマーを見た。

用事で川口にやってきました。用事は短時間で済む予定、写真撮影のコーディネーターとして現場におじゃまをする立ち会い。予定通り、短時間でさらりと進みました。さすがの仕事の我が友人カメラマン。被写体も間を取り持ってくれたのも友人で始終和やかな空気の中で進みました。よかったよかった。

 

 

カレーですよ。

 

 

ちょいと楽しい小さな撮影のコーディネート、久しぶりの知人を繋いだので顔を見るついでという気分でした。

お会いした方々と別れ、仕事の電話とメッセージを数本こなして、さて、食事をどうするかな。

撮影前、ちょっと早めについたので、駅の裏あたりをぶらりと歩いていたんですが、弁当店が目につきました。本当はせっかくここまで出てきたのでどこか沿線でカレーを食べようと思っていたんですけどね、それで店探しなどもしていたんだけど、どうにも行きに見かけた弁当店が気になってしまって。わたし、チェーンではない弁当店が大好きなのです。

たまにはカレーなしでもよろしかろう、と弁当店に入ることに決めました。天気もいいしどこかで食べましょう。

 

「きんたろう弁当」

 

という、何だか勢いのある名前のお店。

その勢いとは裏腹、ひなびた雰囲気が好ましいお店で、ちょっと期待できそうな感覚がありました。メニューを前にしばし腕組み。お、イカフライが入ったのりべんかあ。これにしようかな。よし、これ頼もうと決めました。

注文をして、おばちゃんが弁当を作り始めます。待合席に腰を下ろしてふと見上げるとショーウィンドウのガラスに手書きのメニューが貼ってあったんですよ。張り紙にはこう書いてありました。

 

「月火のみ ミャンマー煮込弁当 個数限定販売」

 

あっなにこれすごい興味ある。

しかも、です。きょうはぼーっとしていて日曜気分だったのだけど、違うぞ。祝日だけど火曜日じゃない。

「ミャンマー煮込弁当、あります?追加してください!!」

どうかな、あるかな?「残りありました、はぁい」と返事が帰ってきて、見事ミャンマー煮込弁当が手に入りました。やった!いいぞいいぞ。

おばちゃんに聞くとどうやらミャンマーの人が働いているようで、そのひとが週の初めに作ってくれるおかずらしいんです。「鶏肉の辛い煮込みなのよ」とおばちゃんがいっていたこれ。「辛いわよお、気をつけて!」とのことなんですが。よしよし、これ、多分チェッターヒンだよね。よしよし!

場所を移して早速食べてみることにしましょう。

ビジュアルで言うとまあさっぱりしたもので、日の丸ごはんに桜漬けと和え物のスパゲッティ、それにミャンマー煮込みという構成。さて、どうかな。

ひとくち食べると、ああ!うん、これ。これそうだよね。やはりチェッターヒンでいいと思う。正解でいいと思う。ミャンマー料理はあまり詳しくないですけど、高田馬場での少ない体験でもこれ、その名前の料理だと判断できました。うひゃあ、川口の普通のお弁当屋さんで現地味のミャンマー料理だよ!

お腹の真ん中をぐいっと押されるような辛さがありますね。唐辛子の辛さだね、これは。同時に唐辛子の風味のほうもちゃんとやってきて、じゃがいもと鶏の穏やかな味に辛さが重なり、かなり良いです。辛いもの好きにはこの味と辛さは突き刺さるのではないかしら。

何となく平坦な味かな、と思いつつ食べていると辛さの中に隠れた旨みやじゃがいもの甘味などが食べ進めるごとに顔を出してきておっと思わされます。いやこれはいい。おいしいよ。

かなり辛いので決して万人向けとは言わないですが、辛さの部分を差し引けば難しい味ではなくて、むしろ日本人が好きな味の方向性を持っていると感じます。が、しかし、やっぱりけっこうな辛さだ。ごはんがすすむなあ。ごはん、倍あってもいいなあ。わたしはかなり気に入りましたよ。

しかしなんでまたこれが川口駅からわりとすぐの駅裏の地味な弁当店で売られているのかねえ。まったくもっておもしろいなあ。

おそらく、ではありますがジャパニーズスタイル弁当専門店でチェッターヒンが手に入るのは日本広しといえどもここ、川口のきんたろう弁当だけではなかろうか、と思っています。

すげえな川口市、ベンガル人コミュニティだけじゃないぞ。川口、恐るべし。

 

そして、何より言わなくてはいけない、現在のミャンマーのこと。クーデターの後に軍事政権がなにをやっているのかを多くの人が知らなければいけないと思います。

軍政府側についた警察がデモなどをする(もちろん非暴力・非武装)一般市民を子供、女性問わずに殺戮しているのです。こんなことが許されるわけはない。ミャンマーに出資も援助もしている日本はちゃんとこういう時に圧力をかけないといけない。そういうことをして初めて、国として世界での価値が問われます。経済で劣る状況であっても志があればおのず世界での評価は上がります。そういうものの積み重ねをしなければいけない。そういう国であって欲しいな、この国は。