
さて、今年もやってくる!2日間だけの、カレーだけの日。スープ屋さんなのにカレーだけしかない2日間。「スープストックトーキョー」のカレーだけの2日間。まずは大事なことから先に。
カレーですよ。
2026年6月26日(金)27日(土)の2日間に渡り「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」が開催されます。この2日間は店内メニューのいつものスープはなし。カレーメニューだけでの営業となります。(大丈夫。お子様向けカレーもあるからね)

ということで、実はもう今年で11年目の開催という、
「スープストックトーキョー」
のカレーのお祭り「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」。ここ3年ほどお招きをいただいてメディア向け先行試食会に参加させてもらっています。毎年広報・開発のご担当とお会いできるのを楽しみに出かけているんですよ。

なにしろ10年越え、2016年のスタートから続くこの
「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」
通年通していつでも1種(2種の時もあったと記憶)カレーメニューをレギュラーで提供(カレーの内容は都度入れ替わり)していることもあって、聞けばそのレシピ はすでに100種を越える膨大なものなのだとか。ものすごいなあ。YouTubeの動画、面白いですよ。見てみて ↓

https://www.youtube.com/watch?v=HWedS-tweTA
そんなアーカイブからの人気メニューと今回の新作3種を合わせて7種類のカレーが投入されます。カレー専門店(インド料理等の民族料理店ではなく、ね)で7種類のちゃんと方向性が違うカレーを選べるというのは破格と言えましょう。結構珍しいんだよこういうの。

相変わらず2日間のためにどれだけ熱量を注ぎ込むのか、と呆れてしまうわけです(褒)。呆れてしまうくらい魅力的なイベントなのです(喜)。だから毎年店には行列ができるんです。当日は黄色いものを身につけていくといいことがある「something yellow」というのをやっていてね、わたしも去年、楽しい思いをさせてもらいました。ぜひお忘れなくね。
去年のわたしの記事がこれ。(下のサムネイルに小さく開催日が出てますけど去年のだから間違えないでね!今年は6/26・27!)
それで、その「something yellow」なんていう仕掛けもあったりして、これ、いつもに増してカスタマーとスタッフさんの間でコミュニケーションが取りやすい仕掛けなのです。これがとても楽しいんだ。毎年思うのですが「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」の期間は各店ちょっと「文化祭的な空気」が漂うんですよ。スタッフさんたちのノリや空気感からそれが伝わって来るしね。お客さんもその感じに乗ってくる雰囲気があります。例外なく毎年なんだよ、その空気感。一体これはなんだろう。

ああ、つまりこれ、やらされてないということか。やりたくてやっているという空気。それが伝わって来ます。楽しそうにやっている場所にはおかしなお客は来ないんです。わたしの持論なんですが割と当たっていると考えていまして。お客さんを選ぶ、というよりお客さんを巻き込んで浄化する感があるんです。すごいことだと思うよ。でも商売ってそういうことだと思うんです。

「スープストックトーキョー」創業者の「世の中の体温をあげる」という言葉を思い出します。そういうことなのかもしれないな。
さて、新作カレー、今年はこんなラインナップ。
南インド風ジンジャーレモンチキンカレー

あえての失礼な言い方ですが、ちゃんと南インド風と認識できるなあ、この味。香りの立ち方とかを上手にやってあるのよね。きちんとカレーリーフ、多分フレッシュもしくは冷凍、ドライじゃなくてね。そういうのを使っているのは特筆です。チキンも下味、マリネに手をかけてあって大変美味しく食べ応えがあります。わりとわたし、こういう記者発表とかのレビューでは意地悪でね(笑)、いや、プロだから当然なんですが。温度を必ず意識するんですよ。ちょっと担当さんのお喋りしてわざと冷ましてみたりしてね。これ、冷めてもちゃんと美味しいまま。レシピのスジの良さと丁寧な作り方を感じさせます。

でね、それで、このカレーはそのまま南インドの郷土料理をコピーして展開するとかではなく、ちゃんと自社の方、スープストックトーキョー方面に引き寄せて調整をかけています。大変正しい、清々しい。洗練を感じるチューニングでこれが実に美味しいんです。現地コピーなんてやる必要ないの。日本の都市部には本当にそのもの民族料理のレストランがたくさんあるんだからね。それよりもそういうところに行かない人たちまで全員幸せにする味が大事なんです。あ、「インドストックトーキョー」があったとしたらそれはそれで面白いなあ(笑)。
レモンの果皮、レモンピールをフレッシュで使用しているようで鼻を抜ける爽快な香りをちゃんと残してあるの、気分いいです。いい意味で「インドすぎない」落とし所がスープストックトーキョーらしさ。満点の着地と感じます。サイコーです。
地中海風帆立のブイヤベースカレー

最近のカレーの業界ではしばらくの間「出汁カレー」がトレンドとしてあるわけですが、それをどう消化するかというところでの着地点は多種ある現在。大阪発祥のスパイスカレーに出汁は欠かせない要素だし、スープカレーだって含まれてもおかしくないし。そんななかで「地中海風」で着地させるというのは、なるほどと思わせます。うん、なるほど「スープストックトーキョー」でやるべき着地点だねえ。
魚介出汁とカレー、うまくやらないと魚介の出汁が消えてしまうコンビネーションで難しく思えるんですが、これはそこを軽やかに飛び越えています。冷めると出汁からだろうか、ほんの少しえぐみが出るが気になるものではない範囲。帆立や貝柱を白ワインで蒸すなど具材にも手間をかけてあります。フレッシュヤングコーンの食感と香りが思いのほか印象強く、これ、記憶に残るなあ。この使い方は上手いなあ。

少し前にブイヤベース世界大会で第3位を奪取、凱旋帰国した寺岡昌三シェフの店「bistoro234」で(割とうちから近い)その大会メニューを食べる機会をもらったんですが、それはもう、余計なことをせずに大事に大事に出汁を取り出してあって、誤解を恐れずに言えば素朴とも言いかえられるのではという自然体の美味しさがありました。感激したよ。しかしカレー舌にはちょっと物足りぬ、なんてね。思ったのも事実です(あたしはダメな感じだなあ/笑)。そこを、優しい魚介出汁をスパイスが下支えするわけです。普通は出汁は縁の下の力持ちですが、これはスパイスが出汁を持ち上げている感があるんです。ああ、これ楽しい、おもしろい。
牛タンと2種のきのこのスパイスカレー

欧風の仕上げですね。ここのところ欧風の良いものが話題に上がることが多くてね、今年はついに本当にトレンドに上がってくるかもしれないなあ、という観測、予想をしています。、「スープストックトーキョー」もしっかり拾ってきてるなあ、と感心。

デーツで甘みと奥行きを支えタマネギ焙煎からでしょうか、ビターテイストをほんのりと前に持ってきており味が引き締まって好ましいチューニング。西洋料理のレストラン的味のアプローチですね。タマネギの食感を上手に残してあるのもうれしいなあ。きのこはプリっと、牛タン柔らかくという食感の楽しい仕上がりと合わせて食べ進めるリズムが出来上がります。営業のオペレーションでこの食感をきちんと残してほしいと所望。

レモンとヨーグルトを少しだけ添えるのも軽やかさに繋がり好印象。味の印象よりもお腹に軽いのも好ましいですね。舌への満足感高いのに脂っこさが残らないということ、かな。ビーフシチュー、牛タンシチュー的着地で「どこからがカレーなのか」問題(笑)、カレーとシチューのボーダー問題が頭を持ち上げます。これは楽しい疑問なので永遠に議論が続けばいいと思っているよ。

実は「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」の2日間で提供されない、レギュラー営業に戻ってから投入されるであろう季節の新作、まだ名前未定のものもあった冷製のスープ2品も味見をさせてもらったんですが、これがまた良いのよ、すごいのよ。カレーじゃなくてこっちに持ってかれそうな感もありました。それくらい良く出来なのです。
(名称未定)白胡麻・豆乳・豆腐を使った冷たい中華スープ

これ、まいった。麻辣の刺激も嬉しいチャイニーズテイストです。担々なのか、それとも麻婆豆腐、それも本格的な四川イメージのものなのか。そういうのを冷やしで上手に味を固定してあるんだよ。これはすごいこと。冷製で辛さと香りをこのレベルで固定するのは大変だったのではないかしら。やってくれるなあ。これはたいした仕上がりです。面白いことをすごく上手にやってくれていてにやにやが止まらないわけですよ。いやホントにものすごいと思う。おかわり欲しかった。

広報さんと開発担当さんに思わず「よくもまあ!」と言ったらお二人とも「してやったり」の顔をしてらっしゃったので、相当な自信を持って完成させたと察せられます。確信犯であるぞ。なんとも好ましいです。
海老と夏野菜の冷たいトムヤムクン

トムヤム風味。これまたよくまあ上手にちゃんとトムヤム味を冷やしにしたなあ、というもの。麻婆よりも冷やしとの相性は難しくないと思うんですが、とはいえやはり味の決めどころに洗練を感じます。カレーでも触れましたがヤングコーンが印象深く使われているんです。夏らしい仕上がりだねえ。

麻婆とこれをラインナップ、アジア繋がりのラインというのも良いし、「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」を終えて、夏が来て、夏メニューでこれがあって。なんとなく、ですが「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」とのリンクをしつつ季節が夏に入る感じでしょうか。とてもじょうずな流れを作っていると思う。季節感が強く打ち出されます。こういうやり方、カッコいいなあ。
「誰にも似ていない」という「スープストックトーキョー」創業者のキーワードやファストフードだけどファストフードではないスタンス。提供はファストであるけれど、提供される料理は良い素材を各地から集めて丁寧に作られたスローなもの。乱暴になっていない食べ物っていうのは本当にありがたいし、頷けます。わたしが色々書かせてもらっている地方創生メディア「KURAFT」(https://kuraft.jp/)で取材をしてみたいなあ、なんて思いました。

こんな因果な商売(カレー食べ歩きや諸々/笑)じゃなかったら、会社へのルートに「スープストックトーキョー」のお店があったら、週何回通うだろうなあ、など考えてしまいます。あたしはね、太い客ではないけどさ、でも「スープストックトーキョー」の熱烈なファンなのよ。スープとシチュー、好きだしね。自分でも作るしね、謎煮込みシチュー。

今日からちょうど1ヶ月後の6月26日と27日を楽しみに待ちましょう。
わたしは当日、例によって最寄店の錦糸町のお店に行こうと思います。
