
3月の終わりにご縁をいただいて、伊豆高原にあるファスティング・リトリート施設「やすらぎの里 養生館」に5日間の滞在、断食の体験をしてきました。はや4回目の記事。
え、もうぼちぼち6月だよ、なぜいま?それはわたしも執筆で参加している地方創生メディア「KURAFT」で短期集中連載がついに掲載になったから。SNSだけの投稿でしたががっちり読み応えある記事として掲載になりました。ぜひ読んでね。
地方創生メディア「KURAFT」の記事はハードコアレポート。それとは別に自分の忘備録としても「やすらぎの里 養生館」現地で5日間書き溜めたメモを残そうと思ったんです。「KURAFT」の記事と連動して読でください。
断食とかリトリートのレポート、60代に足突っ込んだ初老のおじさんのレポートって珍しいと思う。60代って当然と言えば当然なんですがいろいろカラダもココロもガタきてます。なんとかしなきゃなあ、と思っている人たちのお役に立てばうれしい。
断食メモ 2日目 その1「翌朝、朝食」

早めに目覚めた26日朝。一番早いプログラムの「早起きヨガ」にも間に合うも、ゆっくりと起き上がりたかったのでこれはパスした。ちょっと惜しいことをしたか。そのあとの散歩のプログラムは大雨なので中止。朝の日替わりドリンクを逃したのはかえすがえす残念。きょうは生姜紅茶だったらしい。
そのあとの朝食はニンジンのスムージー。献立には「人参ジュース」とあった。とても自然な、おかしかったり無理があったりしない味で素直においしい。きのうの味噌汁と同じくティースプーンほどのサイズの小さめのスプーンでゆっくりと味わう。ジュースだが、食べる感じ。お腹に入ってもそこから食欲を刺激してこない。きのうと同様で口の中に広げてやってじっくり味わう。
そしてこの日の日替わり茶は森を思わせる味と香りだった。良いものだ。
断食メモ 2日目 その2「施術」

マッサージとカッピング。リラックスできてとても良かった。気遣いもあったり安心してお任せできた。30分ほどであろうか、目を瞑ってリラックス。マッサージを受けるとからだがほかほかとしてゆるんでくる。気分がいい。カッピングでは、写真の丸い葉っぱのような模様が背中に並び、紫色の濃い部分がたくさん浮き出てきた。色が濃いほど悪い部分らしい。
それと、誤解なきようにと初めに言ってから書くが、ひとにからだをまかせていろいろしてもらうというのはいいものだ。現代人はスキンシップが極端に少ないと考えている。なんだかんだとその関係性を問わず、誰かの肌というのは本能的に、生き物として嬉しいものなのではなかったか。そんなことを考える。
断食メモ 2日目 その3「散歩」

雨が上がった。雲が切れて少し日が射した。散歩に出ることにした。推奨コースはいただいていたが、なぜだか使命感が湧き上がり、徒歩で30分かかる伊豆高原駅に向かうことした。断食が苦しくて脱走したのではない。それは到着当日、土砂降りの雨で諦めたスーパーマーケットのリサーチのためだ。通りかかったローカルスーパーには余程のことがなければ必ず寄ることに決めている。ここがなかなか面白かった。
やはり魚は充実。伊豆の海で獲れた魚、美しい輝きがある。地物の握り寿司のすごい美味しそうなやつがあって、空腹とかそういうことではなく興味と美しさで食べたいなあ、と思った。もちろん我慢。いや、我慢というよりも、我慢ではなく「今の自分には関係ないもの」という気持ちで見ていた。自分の意識の変化がすごく面白い。プログラムが終って東京への帰りに買えるといいなあ、と思った。

あまり見かけないローカルなものもちらほら。ここは静岡。お茶の種類が多い。これはお土産にできるのでチェックしておこう。ドレッシングも「ニューサマーオレンジ」というこの地域の品種の柑橘を使ったいいやつがあった。この2つは館内で知り合った「やすらぎの里 養生館」に複数回来ている女性からの情報。わたしも彼女にこの日見つけた駅前のケーキ屋さんや路地の裏の干物屋さんなどの情報などを差し上げている。
散歩の途中も面白いものがたくさん。消防署があったのだが、そこに止まっているレスキュータイプの車両、後部荷室の上にボートが装備されている。なるほど海の町だからか。大変納得。2時間ほどの散歩になった。坂道もあって結構な運動になる。気分がいい。
断食メモ 露天風呂、昼間

天国のような時間になった。早めの夕方、16時半くらいだっただろうか。昨日と打って変わっての晴天、気持ちがいい。何しろ露天風呂、とんでもない開放感なのだ。前日深夜の豪雨の中わけもわからず入ったのだが、とうぜん星空も町の明かりもあったものではない。それがどかんと解放されたわけだ。空は青く澄み渡り、海はもっと青く遠くに伊豆大島も見える。船が思いのほかたくさん通るのが面白い。そんな場所でフルチンである。サイコーと言わざるを得ない。脱衣場から出るのが躊躇われるほどの開放感。女の人、大丈夫だろうか。とにかく素晴らしい眺めと気持ちのいいお湯。いうことがない。
断食メモ 夕食

夕食の豆乳味噌汁
豆乳味噌汁、そういうのがあるのは知っていたが、なかなかいいものだった。スープと味噌汁の中間のような印象でおいしい。やはりきょうもゆっくりとスプーンでひと口ずつ摂っていく。今日はきのうと違って小一時間の大きなアップダウンがある散歩をしたからか、空腹感がある。が、絶対的なものではない。気持ちひとつで抑えられる程度のもの。ははあ、わたしはこんなにストイックにやれる人間だったか、と,自分に感心したり疑ったり。本当のところはどうなんだろう。わたし、というよりは人間としてのパフォーマンスという話だろうか。いや、おおげさだな。
断食メモ 梅干し

この日の日替わり茶は森を思わせる味と香りだった。大変に気持ちのいい、心休まるお茶。そして、大広間にこの日替わり茶をいただきにいくと冷蔵庫のあれももらっちゃおう、ということになる。梅干しだ。強くしょっぱくて酸っぱくて、普段だったら特に自分から選びに行かないタイプのオールドスクールな梅干しだ。これには意図があると思う。別に腹を満たすための固形物ではない。たまたま固形物であり、口の中の寂しさを解消するためのもの。だから強い味のものを選んであると思う。そしてそういうものは食欲を抑えるのにちょうどいい。自分んで体験してよくわかった。ありがたいものを用意してくれている。
断食メモ 洗濯

4泊5日、電車での旅ということにした。いつもならクルマなのえでデカカバンにざっくりと大荷物を入れれば済んでいたが今回は持ち物を絞らねばならない。なので衣類は期間中一度洗濯をすることにした。洗濯ができる設備が用意されていてありがたい。洗濯機が3機、乾燥機が2機設置されていて乾燥機のみ有料。洗剤も無料で使えてありがたい。選択ができるのは心強い。ウォーキングやヨーガなど思ったより汗をかくシーンもあったので助けられた。洗濯したての服を身につけられるのは気分がいい。
断食メモ 気付き

なんだかんだとゆっくりだが時間が流れていく。環境が良く、使える時間が大きく自由で、そういう中でなにもしないでいいという幸せ。気づいた。こんなになにもないのでは、気がまぎれるものがないのでは、今までであったらすぐに何か食べ物に手が伸びる。次の食事のことを考える。仕事柄、と言い訳をするが、わたしは食い意地が張っている。ところがその食欲や「食べてしまう手癖」が抑えられることに気がついた。これは画期的なことだ。
気がまぎれるものがない、と書いたが、実はそんなことはなく、周囲の散歩、いろいろなプログラム、入浴や瞑想など色々用意されていて、それらは「心に負担をかけずに優しい形で気を紛らわせてくれるいろいろなもの」なのだ。インターネットの先にある刺激強いコンテンツ、たとえば買い物や映像などの娯楽。そういうものではない体験が用意されていて、気持ちを正気に戻してくれる。

断食ということで食べ物が手元にないという環境であるが、ちょっと無理すれば、駅前まで散歩がてら30分歩けば買い食いもできなくない場所でもある。しかし本を読んだり物を書いたりしていると気持ちが食のほうにいかない。自分でも驚いた。空腹感はある。戻ってきたという方がいいか。2日間の断食を終えて今日は回復食の穏やかな朝食を摂った。そこからしばらくして空腹が戻った。が、焦燥につながる空腹ではないようだ。イライラがやってくる空腹とは違う。お茶を飲んだり何かをしたりすると少しおさまってくれる。なにかがかわったようだ。
