
洋菓子店でカレー。えっなにそれって思いますよね。しかし、なめてもらっては困るのですよ。甘いことをいってると痛い目にあう。洋菓子店だけに。
カレーですよ。
行きつけの洋菓子店があるのです。場所は富士吉田市、標高約820メーターに位置する洋菓子店。


富士吉田市はその中心部から河口湖までクルマで10分、山中湖なら20分。富士五湖周辺を巡るならベースキャンプにぴったりの場所です。視界のどこかにちらりと富士山が入り込んでくるのはいつきても本当に気分がいいんだよ。東京臨海部に住む人間としてはけっこうな頻度で来ていると思います。


その富士のお山からいただく伏流水を使った地域の料理はどれも水の良い場所特有の空気を持っていると感じるんです。この洋菓子店なら名物の「水ゼリー」がそれに当たるかな。


「杖」も毎度買ってしまう美味しいやつ。スティック状のフィナンシェ的焼き菓子でこれがどうにもやめられないんですよ。
「アーヴェント」
というお店です。ケーキと焼き菓子の専門店。イートインできるカフェが併設されていて、そのカフェの隣にはギャラリーもあります。いつも楽しい作品展が催されています。地域コミュニティのハブのようなスペース、と感じています。


そしてカフェのメニューに載るカレー。これが大問題。いや、美味しくて大問題なんですが。「アーヴェント」にはカフェスペースがあります。落ち着いた雰囲気で快適な席のよい場所で、ここでカレーが食べられるわけです。「辛口カレー」の名前でメニューに載っています。ランチどきは「カレーランチ」というセットがおすすめ。ドリンクとケーキがつく良いセット。ケーキはショーケースの中から選ぶ事ができてこれが楽しいんだよね。間違いなくこのセットを頼みたいものです。


ケーキ屋さんで辛口カレー。そのギャップがなんだか面白いんだよ。そしておやっと思うほど美味しいのです。お気に入りの店だからという忖度は抜き。洋菓子店のイメージからくるものとは違う、端正でシャープ、きちんと辛さの主張ある良カレーなんですよ。例えるなオーセンティックなホテルのレストランで出てきそうなひと皿。切れ味と抜け感を感じます。シャープなのにバターやクリームの柔らかさも背中合わせに持っていて懐深い。ハンサムなカレーだなあ。


ケーキは桃のタルトを選びました。ここはやっぱり季節のものをね。クラシックなショートケーキも捨て難いんだけど。これ、タルト部分まで大変に美味しい!いいものです。寄り道がなければいくつか買って帰りたいところです。一度ショートケーキの持ち帰りにチャレンジしたことがありました。が、峠道を走るのが好きなわたしであるよ。結果は想像通りのとほほ具合。泣けてきました。あ、でもタルトならいけるかもしれない。今度チャレンジしよう。

一度取材で輿石オーナーにお話をうかがったことがありました。このカレーの源流はオーナーのお母様の味。
【メディア】三井住友海上「くるまも」・わざわざドライブで訪れる価値がある! カレー、和菓子、温泉……その道の達人の「偏愛スポット」執筆しました。
ご実家が明治44年創業の和菓子屋さん。今でも地元の支持高い老舗。当時職人の出入り多く、その関係でまかないのメニューの中にお母様が作るカレーがあったそう。それ元に辛口に仕上げたのがこのカレーです。800メートルを越える標高は水の沸点の違いを生み、それが菓子と料理に良い影響を与えるのだとか。大変に面白い、興味深いお話しでした。

オーナーのお嬢さんはわたしの友人。ティーアドバイザーの資格を持つスペシャリスト。地域の紅茶文化を担う人なのです。だから紅茶の注文も必須となるわけです。いいにおいでとても美味しいお茶を淹れてくれます。
ちょっと離れた場所にわざわざ足を運びたくなるお店。心寄せられる場所があるっていうのはとても幸せなことだと思います。
