カレーなしよ(千葉・山武松尾 なかよしドライブイン)マグロにんにく醤油漬け定食の破壊力。

最近どうも千葉がしっくりくるんです。本当は海はどうも苦手なはずなんだけどね。あれはどうもおっかない。山が好きなんですよ。山梨や長野のあの感じ。ちょっと走るとちゃんとした峠らしい峠があって山らしい山があって人がいなくて。あの感じがいいんです。そんなであったんですが、どうも最近千葉を手探りするのが楽しいんだよ。

 

例えば千葉には面白いコミュニティもけっこうあるの、知ってますか。

最近だとクルマ関係と工場関係の仕事でスリランカ人コミュニティが強いようです。タイの人も昔から多く住んでいて、銚子のタイ人コミュニティのその成り立ちは知る人ぞ知る存在です。カレーですよ。的にはネタの宝庫なんですよ、千葉。

注意して見ているとちょいといい山里なんかも通りかかることがあって、悪くないなと思うようになってきました。

さて、そんな魅力を日々再発見する千葉界隈。

126号線、片側1車線の3桁国道にそのお店はありました。ロードサイドの古い建物には、薄れてほとんど読めないのだが、大きく

 

「仲よしドライブイン」

 

そう書いてあります。くるのは今回で2回目。

巨大な平家の建物の前にある広い駐車場にクルマを入れます。お店の窓にはあかりが灯り、親父さんが厨房で手を動かしているのが見えました。よしよし、やっている。さて、メシの時間だよ。

小さく「こんばんは」と声をかけて、この間も座った端の席にスーッと陣取りました。この日は常連さんらしき若い衆がちょっとした飲み会をやっている様子。楽しそうで結構、結構。わたしは通りすがり。余所者はなるべくそっとメシを食わせてもらうのです。

相変わらずメニューの短冊が厨房前の壁一面に配されていて、賑やかです。この感じがとてもいいんだよな。

さてと、注文だ。このあいだは肉欲に目が眩んで「肉にんにく焼き定食」を注文しました。今日はもうはじめから決めていました「かつおにんにく醤油漬け定食」を!と思ったんですが、あらら、短冊には「売り切れ」の貼り紙が。でも大丈夫。では、と頼むのが

 

「マグロにんにく醤油漬け定食」

 

まあ、なんというか、似たようなものですよ。だよね、そうだよね。

アルミの四角い給食盆で出てきたこの定食。これがどうにもいいんだよ。メインディッシュの「マグロにんにく醤油漬け」以外はたっぷりの白飯、味噌汁、漬物、味付け海苔と質実剛健というか、素朴そのものでうれしくなります。

「マグロにんにく醤油漬け」は、もうそのまま、名前通りのものが出てきました。

ちょいと少ないか?と思ったのは一瞬でね、逆に多すぎでは、と心配をする羽目になります。

小ぶりな鉢に醤油がたっぷりと注がれその中にマグロの切り身がチャプチャプとチャプチャプと浮いています。それで、浮いているかと思ったらそうではなく黒い醤油の中に折り重なるようにぎっしりと切り身が詰まっていると言うのが正解でした。この量はちょっとしたものだぞ。

醤油の上から頭を出すマグロの島の上に大量のおろしニンニクがのっています。自分の心の中には期待以外の何物もない、という展開。

食べてみると、これがまた見た目そのままの味で嬉しさがこみ上げてくるわけです。乱暴な食いものではあるんですが、心の真ん中にまっすぐ投げ込まれる直球であり、こういうものには抵抗ができないのです。こういうのがいいよなぁと素直に思わされるやつ。これはたまらないよ。

白ご飯もどんどん進んでしまうし、もしクルマでなかったらビールでも日本酒でもそういうものを確実に頼んでいたであろうと言うお味。や、たまらんたまらん。

マグロでニンニクで醤油。ただそれだけなのです。

 

前回に引き続き、今回も予想通り腹いっぱいにさせられました。実はメニューにカツカレーがあるんだよね。しかし、魅力的なメニューがあまりにも短冊となって厨房前にぶら下がっているもんで、これなかなかカレーにたどり着けないだろうなお。早々にまたやって来なければ。

いつかカレーにたどり着きたいです。