カレーですよ4823(山梨矢坪 ほったらかし温泉 気まぐれ屋 伝説のカリー(仮))絶景山の上、屋外カレー。

なんだか心から驚いた。申し訳ない気持ちでいっぱいになった。観光カレーでもなければ「こういうのでいいんだよ」カレーでもなかったのです。

なんだこれは。もう一度言いますが、驚いた。

 

 

カレーですよ。

 

 

「ほったらかし温泉」はご存じかしら。

ツーリングライダーや温泉好きには結構有名な温泉なんですが、昨今のアウトドアブームとも呼応して大人気のアニメーション、ご存知「ゆる△キャン」。ゆる△キャンのキャラクターが立ち寄った温泉ということらしく知名度が上がっていて、大盛況なんです。

それとは別の話で友達から評判を聞いていたのでそのうち行ってみようかねえ、とか考えていたんですが、あれよあれよと言う間に人気になり、ちょっとなんというか、落ち着くまでいいかなあ、と後回しにしていました。桃のシーズンは過ぎましたが相変わらず山梨には足繁く通っており、その流れの中でほったらかし温泉のことを思い出したんです。

曜日やタイミング的にもまあ混んでいるであろうし、とは思ったんですが、場所だけ見てみようとGoogle マップを探るとなんと言うことか。温泉の施設内にある食堂。カレーが売りだと言うではないですか。そうなると温泉はもう二の次、まずはカレーだよ。風呂には入らない。カレーだカレー食べよ。

食堂にはちゃんと屋号で、

 

「気まぐれ屋」

 

と看板があるのですが、その屋号の下にもう1枚、同じ大きさの看板を掲げてありました。

カレーの店としての看板。そんなの出てたらいやがうえにも期待が高まるじゃあないですか。

しかも屋号が、

 

「伝説のカリー(仮)」

 

とくるわけですよとんでもないなもう。たどり着いてその味を確かめるにそれは驚愕に変わっていきました。大した実力であったのです。

ほったらかし温泉は山の上にあります。とはいえクルマで登れるわけだし人里離れているわけでもないんです。とはいえ山の上。山の上に来たなあ、という広大な眺めが楽しめます。そういう場所。

 

注文なんだけどね、まず山の上の小屋風のお店で呼び出し端末を渡されるのに驚くわけです。窓口で注文するとお釣りと共に呼び出し端末を渡されるんですよ。ほら、ショッピングモールのフードコートとかと同じやつ。これはつまりそれくらいの設備投資をしても採算が合うということ。この時点でハッとするわけです。

しばらくしてカレーが出来上がり、取りに行くともう一度ハッとさせられます。紙皿でもメラミンでもなく、紛れもなく陶器の皿。しかもしっかり重さのある大ぶりな白い皿で出てきたよ。ビジュアルもすごいし。こりゃヤバい。こりゃホンモノ。

 

まずはカレー、すごくいいんです。

 

基本に忠実にタマネギ焙煎を真面目にやってある、キチンとスパイス辛い良カレーで驚き。タマネギ焙煎とスパイスを使っていながらインドカレー方面に持っていかない巧みさも見えます。日本カレー的なんです。これは上質だなあ。これを吹きっさらしの素朴な東屋のテーブルで富士山眺めながら食べる落差の面白さといったらないわけです。

大きなチキンレッグは丸々一本入っており強い圧力を感じます。すげえの来ちゃったなあ感でしょうか。しかもこれがガッチリと旨いのよ。噛み締めれば旨味強く、適度な火入れからくる食感の柔らかさと骨離れの良さは大したもの。えええ、スゲーなおいこの場所で。

ポークも驚愕。いわゆる生姜焼きサイズのポークが5枚、ごはんが見えないくらい、ごはんをおおうように乗せられています。ピンク色の美しい仕上がりのローストポークでチャーシューとハムのいいとこ取り的な味と食感。下味もしっかり、しかし穏やかでバランス良く、ちょっとこれは困ってしまうなあ、うますぎて。

 

ポークもチキンも単独で定食のメイン張れる実力者ですよこれは。

ごはんは雑穀米でほんのり赤く、風味が良いのも特筆。付け合わせのポテサラもマスタードの風味が香ったりして小技が効いています。ゆで卵、トマト、ピクルスとならび、お前、山ん中でこんなに無理しやがって、と咽ぶ思いです。

しかも氷が浮かんだ冷たいお茶がついてくるし。どうなってるんだこりゃ。

たしかにここは登山をする山岳という場所ではないんですけどね。道路があってクルマで来られるわけで。

でも、温泉しかない山頂にこのカレーがあるんですよ。すごいことだよ。カレーのためにいく価値があるね、これは。

富士山だって見えるしね。温泉は、ついで!ついででいいよ!

(今回入浴はお盆の最後の日で駐車場のクルマの数がとても多かったので万全を期すためにやめたおきました。うむむ、残念。すいてる時にまた来るよ)

いや、なんか感激した。