
いまやカレー業界随一のイベント仕掛人、松さんの企みにのっかります。楽しいイベントだなあ。
カレーですよ。
驚くべきことに内閣官房の昭和100年ポータルにも掲載されているイベントなんですよ。なるほどその趣旨に見合うイベントかもねえ。そうだよねえ、だって今年は昭和100年だもんな。


その名も、
「カツカレー★オールスターズ 2 – 昭和100年のカツカレー -」
ときたよ。今回で2回目。継続しているのは素晴らしいですな。継続して定着してそこから先がカルチャーです。数日ごとにお店が入れ替わっていってそれぞれのスタイルのカツカレーを披露、展開しています。


会場となる店はこれまた由緒正しき元祖カツカレーの場所。
「TSUKIJI.カフェ.スイス」
いわゆるむかしの築地スイスのこと。銀座スイスの築地店です。わたしが知っている築地の2階席もある角のお店ではなく路地に移動していました(古いお店は居抜きで外観そのままに違う店が営業してたよ。下の写真が古いお店)。

わたしがお邪魔したのは大阪の、
「セイロンカリー」
が出店しているタイミングです。イベントとしては期間の半ばくらいかな。「セイロンカリー」は大阪のオーセンティックスリランカンレストラン。そう聞いていたはずなんですが、カツカレーで築地にやってきたんですよ。どういうことなんだ、と思いきや。

どういうものなんだろうと気になったのはね、カレー三兄弟の竹中さんのSNSで見かけたキーワードです。「大阪的な昔ながらの甘辛とはまた違う唯一無二の甘辛」という一文。ははあ、あまからなのか。でも大阪のクラシックな文脈ではないのか。そしてスリランカって。頭の中で整合性が取れないぞ。これは確かめないといけないなあ。カレーは、カレーライスはアマカラが背骨にないといかんと思っているわたしだからね。どんなあまからかを確かめねば。

カレーはアマカラ。背骨にうっすら見える場合とぐいっと押し出してくる場合との度合い、幅は大きくあります、やはりカレーライスはアマカラの要素がないといかん。そう思っています。外国の郷土料理であればそういうのが無しでも納得もいくし受け入れられるんですが。日本のカレーライスでもコンソメ、ブイヨンをベースに塩味で仕立てるものももちろんあります。が、やはり幸せは甘みの中にあるよなあ。仕方ないよ、わたしの舌がそういうふうにできているから。そして割と多くの日本人はあまからいものがやっぱり好きなのです。
「ランジのラムカツカリー」
を注文しました。ポークカツも相盛りで乗るスペシャルバージョンもあったんですが、わたしのこの日のお腹ではこれがちょうどいいかな。

まずはカレーソース。食べてみると「!」となりました。想像よりずっと甘いんです。しかし不自然ではないなこれは。なんかもう、本当にあまからど真ん中なんですよ。あんまり難しくしすぎずに、しかしつねに「なんだろう?」が続く感じ。こういうのは好きだなあ。どうやらジャガリと果物でで強く甘くした様子です。謎めいたカレーソースに夢中にさせられました。


なるほどやはりこれはスリランカ式大阪あまからカレーだわ。さらっとしたイメージ(ホッダからカリーあたり)のあるスープ状のスリランカ料理的ではなくウェンジャナ的(煮込み深い高級料理)なとろみがついた仕立て。じゃがいものすりおろしでこの食感を作っているようで、日本のカツカレーのイメージに寄せてきているのでしょう。いやあ、手が込んでるよ。


ラムカツがまたすごくて驚かされます。ラムカツ、極上の仕上がりなのですよ。本当に、極上。骨付き肉を細かめのパン粉で包み丁寧に揚げてあります。丁寧に、という言葉を使わずにおれない緻密で均一な衣とラムの個性がググッと前に出る肉の味わい。クセがクセではなく強い個性になっていて素晴らしいものです。けっこうギリギリのラインを攻めていて、こういう野生みある肉が苦手な人がギブアップするかしないかあたりの落とし所はもはや芸術的と感じます。いろいろ目から鱗が落ちるなあ。すげえなあ。


これはこころから食べてよかった。食べないとわからないから。スリランカ解釈の大阪あまからカレーってのは想像がつかなかったです。あまから方面の味が好きで、しかし想像の範囲外。じゃあ、と食べにきたけど正解だったな。想像できなけりゃ食べるしかないわけであるよ。大阪文脈ではない、しかしスリランカにもないカツカレー。しかもあまから。すごいカツカレーでした。カツカレーって気軽に呼んじゃいけないかもしれない。でも気軽でしかもこの凄さってのがいいのかもしれない。


福神漬けが意外なほどよくあうんですよね。わたしはごはんに乗っけずに食べ進んで最後の口直しにぱくり、と。しんしんのちゃん赤くてちゃんと美味しい福神漬け、好きだなあ。カツカレーと名乗るからにはどんなスタイルであってもこれがないとね。
そうそう、主催の松さんが店頭で看板を眺めるわたしに気づいて出てきてくれて嬉しかったんです。松さんのおしゃべりはいつでも本当に興味深いからねえ。楽しいんだよねえ。お店に入るとコスギカレーの奥村店主が食べてたり。相変わらずしっかりと食べ歩きを欠かさない研究熱心な人なのです。そんなお楽しみもありつつ良い時間を過ごせました。スタンプラリーとかも、いいよねえ。缶バッヂ、ほしいよね。


22日からは町田からあの日本一のカツカレーがやってきます。乞うご期待。
