
霞ヶ浦のちょいと手前、利根川にほど近いなにもない三桁国道。408号線を走っていました。チーバくんの額のあたり、というところかな。地図で見ると細かな区画分け、建物の個別表示がない緑色のエリアが広がっているエリア。小さな集落もあるようだけど国道からは1本奥まっているみたい。そんなのどかな道。
カレーですよ。
こういう場所に急にスリランカやタイの食堂があるのが千葉なのです。ここはもうそのまま朽ちるだろうな、商店として復活には無理がある、なにしろご近所がないもの。お客が居なくて商売は無理だろうなあ。そういう場所に急にアジアの人の食堂や食材店があるんです。つまり僕らとは違うレイヤーの集客、コミュニティがあるということ。そういうのを目指して走っていたんです。が、あいにく閉業していました。これもまたよくある話し。驚きもしません。

それで、どうしたものかとクルマを路肩に停めて次を考え込んでいたんですが、向かいにある、駐車場が広い何かのお店的なところから作業員風の男性が出てきてクルマに乗り込むのを見かけました。なんだろうなあ、あそこ、とよく見ると漬物店だったよ。
「鈴木漬物店」
という看板が出ていました。おや、こんな場所で漬物の買い物とはなかなかにツウな男性であるなあ。漬物好きのわたしとしても見逃すわけにはいかんだろう、なんておもいまして。これはなにかあるのでは、ともう一度よく見ると。

もう一つ別の看板がかかっていたんです。
「花輪ドライブインすゞき」
ははあ、ドライブイン。
わたし、ドライブイン好きなんであるよ。昨今、ドライブインという業態自体がほぼ消滅と思われているようですが、そーっと残っているお店もないわけではないんです。そういう場所には素晴らしきセンスの昭和の意匠が残っていたり嬉しいクラシックメニューが動態保存されていたりと見逃せません。

わたしは同じく千葉県内にある山武市松尾の「なかよしドライブイン」にたまに出かけたりしています。すごく雰囲気があるよいお店。神奈川、秦野の山の中、246号ぞいの「みや古食堂」や山梨下栗原「スター苑」(閉業)など素晴らしいお店があります。気を付けていないとなくなります。ホントに。

さて、食堂であることを気が付かなかった理由はその外観。ガラスドアの内側にもう一枚ガラス扉があってそこにのれんがかかっていたから。多分この地域でよく見る二重扉、暴風、防砂の機能を持つものと同じものだと思われます。外房あたりのコンビニなんかがそうだよね。


店内は漬物の売店の場所も含め結構な広さがあり、ドライブインを名乗るに値します。うれしいことにメニューにカレーがあったよ。ではそれをいただきましょう。
「カレーランチ」
お願いします。

お母さんは親切で、揚げ物が選べることを教えてくれました。ではメンチでお願いします。ごはんの普通盛り大盛りも聞かれたんですが危ういところで我慢、普通盛りとしました。道中は長いので途中で何があるかわからないからね(スーパーの惣菜とかカレーパンの買い食いとか)。控えめでいかねばいいかんのです。


カレーランチ、悪くなかったよ。メンチカツには千切りキャベツがつき、カレーライスはシンプルそのもの。嬉しいのが漬物専門店だけあって、漬物の盛り合わせがついてきました。かなりうれしい。


メンチは揚げたてでさくっとして、お肉もみっちりでなかなかおいしい。揚げ物は揚げたてに限ります。カレーソースはスタンダードな茶色いカレーライス。日本のカレーライスが黄色から茶色に変わっていった、あの頃からの変わらない味がします。既製品かもしれない。そうではないかもしれない。それは置いておいて悪くない味です。そんなことは美味しければどっちでもいいんであるよ。


そして漬物、8種類の漬物が1つずつサンプルのようにきれいに並べて小鉢に入っています。これはなかなかにうれしいなあ。
らっきょうの甘さと酸っぱさのバランスがいい。甘ったるいだけで終わってなくて、おいしい。沢庵も大変いいな。こういう黄色なのに不自然な味がしないのはありがたくも貴重です。きゅうりも上出来。出汁の旨みときゅうりの青々しさがぴかりと光るります。しんなりさせない奈良漬かなこれは。これいいなあ。すごく気に入ったよ。

赤い甘酢漬けの蕪がどうにも美味くてもう少し欲しくなるな。大根の醤油漬けかしら。これはごはんがたちまちきえるやつです。生姜の味噌漬けもすごく美味い。刺激の中にたっぷりの旨みを感じます。どのお漬物も強めの味で輪郭クッキリな感じ。好みです。


最後に大事に取っておいた山芋漬け。これ、極ウマだわ。これだけがやんわりした味で単体でつまみたくなるやつです。あーこれもっと欲しい。会計の時にお店の方に聞いたんだけど今は切らしてらっしゃる様子。また必ずきて漬物を選ぼうと決めました。


次は名物の釜飯を注文してみるかなあ。
