カレーですよ5782(浅草 茶寮 花ぞむかしの Café Hana)夏季限定のすごいやつ。

スゲーのやるって聞いていたのですよ。なので行かねばと思っていたんであるよ。いやだって、なんかモルディブフィッシュから作るって言ってるし。おかしいぞそれ。

 

 

カレーですよ。

 

 

そんなわけで浅草に行くことにしました。浅草自体がちょっと久しぶりになってしまっていたな。それというのもうちの近所から出ていた都営バス、草28系統、浅草寿町行きの本数が極端に減ってしまったから。あれは本当に便利で良く使っていたのです。昨今の減便の波に飲み込まれたようで早朝と夕方に絞られてしかも本数が少なくてね。使い出が非常に悪くなってしまったよ。まったくガッカリなのであるよ。

そんなこんなで久しぶりの浅草。向かうは、

 

「茶寮 花ぞむかしの Café Hana」

 

宮崎牛&元祖炙りチーズケーキとほうじ茶の店、です。昼と夜では営業形態が違うというスタイル。「花ぞむかしの」という茶所はおもしろいんです。いや、藤枝店主が面白いというのが正解かしら。

藤枝店主は努力と研鑽とアイディアと根性の男だと思ってます。ちょっと意地っ張りの気も見えるかな。要するに飲食業に深く根っこを穿って生きているいい男、ということ。ラーメンやって、イタリアンやって、その積み重ねがいまの店に活きています。ジャンル違いに驚かれるかもしれませんが、好きな方へ好きな方へと歩いてゆく男。どちらも生半可ではない経験値を積み上げての自分らしい、自分だけの新ジャンルにたどり着いたのだろうと思っています。

さて、カレーだよ。藤枝店主からSNSでヒントはもらっていました。スリランカのモルディブフィッシュとフレンチの技法。想像がつかないぞ。

で、スゲーのが出てきた。骨付きのチキンレッグ、でかいなあ。迫力と美しさ、両方あります。これはすごいな。いやしかし、カレーどこ行った?あ、あった、カレーあった。ドデカチキンの下に隠れてた。

それでまずはカレー。カレー自体は刺々しさがないまろやかさ感じる仕上がり。きちんと香辛料の輪郭感じつつもエッヂというところまでは尖らせない。落ち着いた味わい、とでも言いましょうか。中庸ではない個性ある、しかしちゃんとみんなが嬉しい味。

チキン、すごいな。すごく美味しい。わかるぞこれ。ちゃんとした材料を使うというのもあるのですが、それだけに頼らずに調理の経験値からくるアイディアや技法で美味しいものに昇華させてあります。食感が素晴らしいし、味と香りもしっかりとしていて強さを感じます。しかし豚や牛ではないので主張は穏やかで他の料理とのバランスが取れています。これはいいものだなあ。ハーフサイズもあったけどフルサイズを頼んで心から良かったと思ったよ。

付け合わせもいいな。大根の酢漬けはアチャールとちょっとニュアンスが違うやつ。アルコアチャールでもなくて、アジアとは違う文脈を感じさせるこれ。こういう合わせはセンスだなあ、と思います。

モルディブフィッシュ(自家製!)をつかったサンボルは素晴らしい出来。薫香高く奥行き見えぬほど深く。青菜を使うサンボルなどのウェットタイプではなくドライタイプで、これが特筆の美味しさ。なんというか、鰹節や胡麻などを使った和風の超高級ふりかけという仕上がりで、そこに燻した香りが乗っていて、万能のふりかけになってます。ああ〜〜これ、製品化したほうがいいぞ。全国の食卓におきたい。でもきっと高い。そんでココンチの定番のお茶で炊いたご飯によく合うんだこれが。もうほぼ和食です。

 

それで、区分けとしてはこのメニューカレープレートということになるわけですが、カレーが主役ではなかったのがおもしろかったんです。カレー、大変に美味いんですが、ただの「カレー食った」という体験で終わらせず、かといってスリランカ風のプレートかといえばこれも違っていて。いや、モルディブフィッシュ使ったサンボルも乗ってるんだけどね。それが和風の仕上がりで。定食に近い体験、でしょうか。そして定食ってのはいっぺんに出てくるコースのようなものだからね。トータルでの食体験ってことです。

全体からここ「花ぞむかしの」らしさが強く滲みます。それはつまり藤枝店主らしさということ。「ここだけの」「藤枝店主だけの」という空気が強くあると思う。ちゃんと和風カフェであるところをハズさずにきていると感じました。スゲーのってのはこういう着地点だったか。いやはやこれはもう一度食べたくなるよ。

とんがったものが出てきたらそれはそれでイベントらしいいいもの、と思ったんでしょうが、これはきちんとここにくるお客の層を冷静に見極めて(観光、インバウンド多し)、納得がいく着地を決めています。要素を削いでいくと定番になり得ると思う。

で、もうひとつの特筆はセットになったドリンク。冷たいほうじ茶を選んだのですが、これがきちんと濃くて美味しくてね。しかもカラフェで出てくるんです。うーん、これはかなりうれしい。飲み物、紅茶を頼むことが多いわたしなんですがポットでサーブされたりするととても嬉しいんです。それって「ゆっくりしていってくださいね」が伝わってくるから。

「茶寮 花ぞむかしの Café Hana」は暑くて人の多い浅草にあって「ゆっくりしていってくださいね」がある店です。