カレーなしよ(大島 永明中華そば店)軽やかだけで終わらないもろこし清湯。

またタイミングの良い時間にSNSを見てしまったのです。わたしが大切に思っている新大橋通り沿いのあの店の天才店主の告知。あと数分で開店時間だぞ。

 

 

カレーなしよ。

 

 

急いでズボンを履きます。引っかかって倒れそうになったよ。Tシャツは寝起きのまんまであるよ。そういう距離なのです。

おっとり刀でいつも通り朝の思いつきで駆けつけたのは、

 

「永明中華そば店」

 

うちからわずか3分の距離です。

本日の一杯、「ほんいつ」が魅力的なやつだったので早足でやってきたのです。案の定、土曜日の開店直後であるにもかかわらずカウンターは7割埋まっていましたた。うひゃーあぶないあぶない。油断しないでよかった。

お目当ては、

 

「もろこし清湯中華そば塩」

 

という名前です。毎年人気のやつだっけかね、これ。以前はポタージュ仕立てだった記憶があります。それともあれは別のやつだったかな。それでとうもろこし、大好物なんであるよ。ウヒウヒと悲鳴を上げながら券売機で「ほんいつ1300円」のボタンを押しました。さあ、ラーメンの時間だよ。

大滝店主は夏になると白いやつとか冷たいやつとかを出してきます。去年も食べたし今年になってからもあったはず。

カレーなしよ(大島 永明中華そば店)食の研究所。

カレーなしよ(大島 永明中華そば店)夏のヴィシソワーズ。

で、今回は白いやつ冷たいやつじゃなくて、あったかでほんのうっすらにごり、というかほぼ透明でとうもろこし甘いやつ。これがまた良かったんだ。

鶏ガラ出汁にとうもろこしということであっさりかと思ったら意外とねばり腰のコク。聞くと鶏ガラベースでそこにとうもろこしそのまま投入、火を入れていくあいだに一度トウモロコシを取り出して、実を外す、のち再度投入という手間で甘みを出し切り搾り切り!ということなのだそう。つまりとうもろこしはあくまで出汁なのですね。これは珍しいのではないかしら。軽やかなのにけっこうな太さの旨味と甘さはこういう手間からなのだろうねえ。

そして例によってちょっと面白い仕掛けがやっぱり仕込まれていたんです。生ハムが細長く巻いてあるものが2本乗っていたんですけどね。これが香ばしくて塩のエッヂが立っていてチョイ辛のペーストが入っていて優しい輪郭のもろこし清湯スープにがちんとエッヂを立ててくるんだな。ラーメンらしさというのかしらね、目が醒める感じの強めの輪郭になって楽しいのです。

ちょっとずつ口に含みながら麺をすすったんですが、これバラしてスープに溶いても面白かったかもしれないぞ。いや、相変わらずの楽しさと組み立て。いちいち「やられたあなあ」という感想を引っ張り出されます。まいるなあ。

とうもろこしのひげなんか上手に使ってあってちょっと香ばしくほろ苦いのがまた「やってくれるなあ」の感。まいるねえ。

前回の「枝豆とジャガイモと玉ねぎのビシソワーズ風冷たいまぜそば」はほんとにほぼヴィシソワーズであったのですが、ほぼ西欧料理なんだけどラーメンの絶対線を越えない落とし所といううまさがありました。今回食べた「もろこし清湯中華そば塩」はあまいラーメンという扉を開いてくれました。こういう味のチューニングはほかの店にあるのかなあ。とても気になります。

とにもかくにも今日も大滝店主のやりかたと決め事、矜持はかわらないのです。カッコいいなあ。