カレーですよ5809(上野毛 パピー)いつものカウンター。

わたしは員数外の男であります。何が員数外なのか。もちろんカレーの話しだよ。もう少し広く言えば外食の話しと括れます。

 

 

カレーですよ。

 

 

その日わたしは246を通って町田方面へ向かっていたんであります。とあるお店でカレーを食べたかったから。早い時間からお客が並ぶという話しを聞いています。実は店主とは一度顔を合わせたことがあってね、それでぜひ一度行かねばと思っていました。少々距離があるのでなかなかチャンスがなかったのですが、思い切って腰を上げました。そういう時に悪い予感と言うのは当たるんだよなあ。

なんとなく虫の知らせがあって、道中、その店のSNSを見てみるとすでに「売り切れ」と言う言葉が並んでいました。うむーん、致し方なし。それは店主が悪いわけでもなければ、行列の客が悪いわけでもないのです。縁がなかった、その一言です。

 

商圏というものがあります。そのお店が相手にしているお客たちの行動範囲のようなものですね。わたしはそこの員数外。どう頑張っても朝9時にあの場所に並んでいるというのは無理があるもんなあ。それでいつでも一縷の望みを託しつつクルマに乗り込むわけです。それで討ち死に、そういう事はかなりの確率であります。

 

 

 

まあ、員数外な訳であります。驚くことでもないし、そんなもんだろうねえ。それは承知で酔狂をやってます。いいの、それはそれで。さあ、しかしカレーだよ。幸い高速道路に乗る前だったんです。午前中の半ばでやっている店、あった。そうだ上野毛の、

 

「パピー」

 

に行きましょう。

外階段を上がり扉を開いて、勝手知ったるカウンターに腰を下ろすと安堵の気持ちが湧き上がります。ここに座ればいつもの味が出てきます。好みのやつを選ぶだけでいいわけです。あまり考えず、楽しく迷えばいいだけ。こういう安心感は初見の店では得難いものだよね。

この日はいつものカレー、ハンバーグ、スパゲッティの至高のトリプル乗せは遠慮していつもはひたすらこれなのよ)、カレーとスパゲッティの合い盛り、

 

「トッピングセット」

 

で、カレーはビーフ、スパゲッティはナポリタンとしました。

まずは例の三段重ねがやってきます。薬味3品のこと。福神漬け、らっきょう、そしてレーズン。レーズンはドライレーズンを少し水で戻した感じで仕上げています。これがあるだけでパピーに来たなあ、特別だよなあ、とか感じちゃいます。

続いてサラダ、かと思いきやカレーがやってきました。サラダは遅れて登場であったよ。珍しいな。

カレー、いい。いいよなあ、この感じ。粘度高く、甘みとコク深く、これぞ洋食のビーフカレーという味。しかもビーフは大きめでしっかりとうまい。これはたまらない。大好きなカレーライスです。

スパゲッティも喫茶店のナポリタン風の濃くし過ぎない口当たり軽やかなバランスいいもの。粉チーズとタバスコが実によく合う味です。これ、これであるよ。こうでないとな。もちろんやわからかめ味濃いめのナポリタン、今だとパンチョ的ないわゆるロメスパ的仕上げも大好きです。しかしこういう軽やかなやつは捨てがたいよね。ああ、おいしい。

食事が終わりそうになるとそれを見計らって飲み物を出してくれます。紅茶をたのみました。

ただ「厚みがある」とか「厚い」とか書けばよい程度の厚さの表現を、なんでも「分厚い」と書く最近の文章には違和感と辟易を感じるんですが、これこそ「分厚い」と間違えなく使ってよかろう厚みのマグカップで出てくる熱い紅茶、どうにもしあわせです。縁の厚みに熱い飲み物がよく似合います。

砂糖を溶いて満タンの胃袋の隙間にゆっくりと流し込みます。じわりとおなかが熱くなってゆっくり幸せが訪れます。

 

この日行くつもりだった遠方のお店には車中泊を前提に行こうと思います。えらいことだなあ。目覚まし持っていかないとな。