カレーですよ5796(新橋 ブラン亭)温故知新。

ブラン亭はもうずっときてきなかったなあ。もしかすると地下にあった頃以来かもしれないな。それくらい銀座に用事がなかったんです。

 

 

カレーですよ。

 

 

創業は1970年。数度の移転ののちこの場所に落ち着いたそうです。

山手線の線路沿い、銀座と新橋の間にある昭和のニッポンの飲食雑居ビル然とした建物です。バーやスナックなんかが入るような風情のビルの4階。ドアひとつ見ても入りづらいことこの上ないわけです。が、こういう場所にいいものが隠れているんです。

おかみさんがお一人でやっています。席数は、これは何席と呼ぶのだろうな。10席あるかないかというところ。数席は荷物や道具でふさがっています。が、なぜか快適。これが快適。おかみさんの優しい気遣いが伝わってくるからだね。

メニューを眺めて3種盛りを頼むもおかみさんに「日替わりなら全種類のってるわよ」と教えていただきました。全部食べてみたい食いしん坊であることがバレているな。では、

 

「日替わりカレー」

 

ください。

見るともなくテレビを眺め、聞くともなく常連さんとおかみさんの話を聞き、電話の小さな画面など見ぬままぼーっとした時間(ここちがいい)を楽しんでいるとカレーがやって来ました。

なんだかどれもいいカレーだなあ。印象として、むかしむかし、固形のいわゆるカレールウや小麦粉とカレー粉を炒めて作るスタイル以外のカレーを「インドカレー」と呼んでいた時代の「ニッポン人の作るインドカレー」の流れの中にあると感じます。とてもいいなあ。こういうのが好きなのです。

ポークカレーは塩の輪郭とタマネギ焙煎の旨みでまとめた旨みのパンチのある味。チキンカレーは鶏肉の存在感と乳脂肪分の甘さ旨さが個性になっています。豆のカレーはざらりとした舌に手応え感じるテクスチャーと豆の旨み。これ、すごく好きだな。素朴な豆の味がとてもいいんです。キーマカレーはかなり粘度が高くてトッピングにちょうどいいと感じます。とはいえこれだけでひと皿食べてみたい魅力もあります。

どれもおかみさんが手をかけて作っているのがよく伝わってくるものばかり。長く続くお店の根っこがしっかりした味。感銘を受けます。

銀座の端の雑居ビルの中でこういう味が生き残って今でも食べられる。とても尊いことだと思うよ。