カレーなしよ(栃木鬼怒川塩谷町 ステーキとんかつ 篠)往復300キロの大判にんにく焼き。

言うことのない完璧なポークソテーが日光にあるのです。正確にはいわゆる観光地として名高い日光の少し手前。国道4号線を直走り、宇都宮を越えて。東京に住むわたしですがその距離をものともせず通ってしまうのです。そういう美味しいやつが待っているお店。

 

 

カレーなしよ。

 

 

本当にあの店にカレーがなくて良かったよなあ。あそこにおいしいカレーメニューとかあったら迷いすぎて逆にいけなくなっちゃうもんなあ。

青のお店に行くならいつもであれば鬼怒川塩谷町「川霧の湯」にも立ち寄るんです。うまく時間が合えば、だけどね。「川霧の湯」は目的の店の目と鼻の先にあります。が、なにがどうあっても申し訳ないんですが目的地が優先。最優先。この日は

 

「ステーキとんかつ 篠」

 

に18時過ぎに到着。「川霧の湯」は19時までなので諦めました。鳥のさえずりと川の音を聞きながらの極楽タイムは次回に持ち越し。「ステーキとんかつ 篠」のにんにく焼きには代え難いからね。

「ステーキとんかつ 篠」のハードルは高いのです。いろいろちょっとおかしいんだよ。場所として、失礼ながらおよそ飲食店が選ぶべき場所ではない立地です。つまりまわりになにもなく、アクセスの手立てはクルマだけどいう場所。国道ではもちろんなく、県道かどうかもあやしく、川沿いの細い道という風情の道端にあります。

そんな温泉宿と鬼怒川河川敷と道くらいしかない場所に妙に立派なお店。駐車場は広い。その広い駐車場が油断するとすぐに埋まる。平日はともかく週末は間違いなくそうなるんです。どう考えても「なにかある!」と思わざるを得ないでしょう。

この日はありがたい事に待たずに入れたんです。17時開店、18時過ぎ着で間一髪というところかしら。案の定、すぐに席は埋まってしまいました。

さあ、あの美味いやつを頼もう。

 

「大判にんにく焼き」

 

というこのメニューはポークソテーのにんにくダレがけという風情の料理です。まずはサラダがやってきます。サラダはなかなかのビジュアルで丁寧な作り。昔懐かしい、透明なビネガードレッシングが郷愁を感じさせ、しかし基本であると改めて認識させられます。

盛大に湯気を上げながらやってきた「大判にんにく焼き」。はじめのひと口、久しぶりで油断をしました。アニメーションの「北斗の拳」を覚えてらっしゃるか。拳技を使って秘孔を突いた時の高周波音。あれが頭の中に響き渡ったのです。つまり食べた時点でわたしはもう死んでいたのであるよ、旨すぎて。

とにかくここのニンニクダレが想像を絶する美味しさなのであるよ。言葉にしてしまうと醤油ベースの甘辛ニンニクダレ、なんだけどさ。しかしそのおいしさたるや筆舌に尽くしがたいものがあり、ポークソテーの完成度の高さ、良質な肉の使用と満足感強い厚みなど諸々の要素が相まって「これでもか!」と頭と心を引っ叩きにくる感があります。その快楽に溺れにいくわけです、それが東京から150キロの彼方の日光であったとしても、だよ。動かずにいられないのです。

メニューにはトンカツ、ハンバーグ、エビフライ、ステーキ、生姜焼きなど洋食定番が並ぶんですが、一度たりとて他のものを頼むことができないでいるわけです。実は1回別メニューチャレンジをしたのですが、それ、すごく美味しかったのだけどね、にんにくダレの魔性の力に引き戻されて、以来他のメニューを食べていません。いや、その時でさえ別でにんにくダレを追加したんだけど、けど。

熱く、ぶ厚く、湯気を上げ大いににおうポークソテー。そこにどっさりとかかったにんにくダレ。いやもうね「すごいのがきてしまった。」よね。もう何度も来ているのにこれが目の前に運ばれるたびに「すごいのがきてしまった。」と思うわけです。

ポークソテーなんでありますが、仕上がりは揚げ焼きに近い食感の部分もあって、そこが堪らない美味しさなのです。カリカリとして実に旨いの。脂身の部分はご馳走そのもの。口の中ではじけてカラダじゅうに良い脂が行き渡っていく快感があります。大判は今回初めて注文しました。贅沢だ贅沢。いつもは普通の「にんにく焼き」であり、それで十分なんですが。贅沢すんぞと決めてたから。

焼き目の色に幸せを感じ、サクッとする食感にカッと目を見開き覚醒し、にんにくダレで骨抜きにされ、飲み込む瞬間に別れが辛くて涙がこぼれます。その繰り返しの30分となるわけでうs。一口ごとの快楽が危険水域を超えてくるぞ。

付け合わせのインゲンはしっかりしたもので存在感があります。じゃがいももおっつけではなくおいしい。うん、いいものばかりが皿に乗っかってるよ。この快楽がわずか2200円。んあー!なんということか。レギュラーは1700円で、初めて行った5年前から400円の値上げ。屁でもないぞそんなの。

往復300キロのメシ。その価値があります。